2017年に入りDRAM市場の供給不足はますます深刻化し、2017年第1四半期(1~3月期)のサーバ用DRAMモジュールの大口契約価格(平均値)が前四半期比で40%増と値上がりしていると台湾の市場調査企業TrendForceの半導体メモリ調査部門DRAM eXchangeが2月20日に発表した。

同社は、サーバ用DRAM価格は第2四半期も値上がりが継続し、前四半期比で10%上昇するとしており、16GBのDDR4サーバDRAMモジュール価格は130ドルに達するとみている。

分析によると、PC DRAM市場の供給不足とそれによる価格高騰により、2016年第4四半期以来、サーバDRAMの価格も上昇が続いていることに加え、2016年後半、サーバDRAMの需要そのものが 予測を上回ったことが価格上昇の背景にあるという。これは多数のデータセンターの設備投資プロジェクトに関連した大量注文が生じ、サーバベンダが在庫を積み増したためであるという。

DRAMメーカーにとっては、2017年の市場の見通しは明るい。大手DRAMサプライヤーの生産能力拡大計画は極めて控え目なため、あらゆるタイプのDRAMが不足しており、サーバDRAMの価格も2017年上半期を通じて上昇が続くと予想されるとしている。

DRAMは先端プロセスの採用で大容量化へ

技術戦略の観点で考えると、2017年のSamsung ElectronicsのDRAMの量産計画の目標は18nmプロセスでの生産能力を拡大させることである。一方、SK HynixとMicron Technologyは、20/21nmプロセスの歩留まり向上に注力することと同社では見ており、これらの3大サプライヤの努力が、大容量サーバDRAMモジュールの市場浸透を加速させることになるだろうとしている。

さらに、HuaweiとInspurを含む中国のサーバベンダが、先端プロセス製品の評価・受け入れを開始している点も注目される。第2四半期から20nm/18nm品への移行が始まり、第4四半期までに、グローバル市場におけるサーバ向けDRAMへの20nmまたは18nmプロセスの採用率は約60%まで上昇すると見積もられており、この技術移行の進展により、大容量の16GBおよび32GBモジュールがサーバ市場の多くのアプリケーション分野で普及すると同社では見通しを述べている。

なお、IntelとAMDは、2017年後半に最新プロセスを採用したサーバプロセッサをリリースする予定であり、QCTなどのティア1サーバODMは、高性能化のために大容量なDRAMモジュールを使用した製品にアップグレードする必要に迫られる可能性が高いことから、今年のサーバDRAM市場は、サーバ1台当たりのメモリ容量の増加が主な需要要因となると見込まれる。