IDC Japanは2月22日、国内SDS(Software-Defined Storage)市場予測を発表した。これによると、2020年の国内SDS市場は758億円、2015年~2020年の年間平均成長率は31.1%と予測している。
同社はSDSを、ハードウェア(Server-Based Storage)とソフトウェア(Software-Defined Storage Controller Software)で構成されるストレージシステムと定義している。SDSでは、汎用コンポーネントで構成された業界標準のハードウェアプラットフォーム上で、自律的なソフトウェアスタックがストレージサービスの完全な機能を提供する。
セグメント別(ブロック/ファイル/オブジェクト/ハイパーコンバージド)では、コンピュートとストレージの機能を提供するハイパーコンバージドが売上額の規模および成長率の両面でSDS市場の成長をけん引する存在になるという。ファイルとオブジェクトはデータ容量の増加や分析などでのデータ活用ニーズに対応するストレージソリューションとして高成長を続け、特に容量では高い構成比を占めると予測している。
2016年の国内SDS市場の売上額は273億900万円となり、前年比成長率は39.8%の見込みとなる。SDSは、ITサービスプロバイダーや大手企業を中心にした大規模環境におけるストレージの調達コストや運用管理コストの削減のニーズに応える形で国内市場に普及している。
また、急速に立ち上がっているセグメントのハイパーコンバージドは、中小規模環境を含めた国内市場全般において、運用管理の効率化やビジネスニーズへの迅速な対応を実現するソリューションとして急速に普及が進んでいるという。
IDC Japan エンタープライズインフラストラクチャ マーケットアナリストの宝出幸久氏は「国内においてSoftware-Defined Storageへのシフトが進む。ITサプライヤーはSoftware-Defined Storageの提供価値を明確化すると共に、機能強化や提供形態の多様化といった国内市場におけるSoftware-Defined Storageの普及戦略を早急に構築し、優位なポジショニングを構築すべきである」と述べている。