ダッソー・システムズは、オープン・イノベーション・ラボとスタートアップ・アクセラレーターから成る「3DEXPERIENCE Lab(3Dエクスペリエンス・ラボ)」を北米でも展開することを発表した。オープン予定は2017年5月。
「3DEXPERIENCE Lab」は、2015年に仏本社で開始し、社会をより良く変えていく力を秘めたアントレプレナー(起業家)精神に富むプロジェクトを支援している施設。同施設は、開始以来複数の産業に向けて、製品と自然と人々の生活を調和させようとする集合的な努力を進めるためのプロジェクトを成功に導いており、産業用ロボットを使った大規模なアディティブ・コンストラクション、手術のシミュレーションのための、患者の臓器の3Dプリンテッドモデル、ヘリコプターと飛行機の長所を組み合わせたオープンソース・ドローン、没入型のバーチャル空間に絵を描くアップストリーム・イノベーションなどがその一例として挙げられる。
今回展開される新しい「3DEXPERIENCE Lab」は、2017年5月に、ダッソー・システムズの米国本社 (マサチューセッツ州ボストン近郊)にオープンする予定となっている。同施設では、北米全域のスタートアップ、アントレプレナー、学生、メイカーズ、イノベーションに関わる部署や研究機関に所属する個人などが取り組む、都市、生命、ライフスタイル、IoT、ファブラボ、コンセプトづくりなどの所定のテーマのプロジェクトは、(審査を経た上で)1年から2年の支援対象となり、支援対象となると、期間中はダッソー・システムズの3Dエクスペリエンス・プラットフォーム (クラウド版)を利用できる。また、スキル支援やメンターによる指導を受けたり、ダッソー・システムズの世界に広がるエコシステムを活用したりできるため、より迅速に製品化を進めることができるということだ。
同施設には、マサチューセッツ工科大学のCenter for Bits and Atoms (CBA)の協力のもと、新しいデジタル・ファブリケーション・スペース (ファブラボ)が併設される。ファブラボには最先端のコンピュータ制御のツールやプロセスが整備され、イノベーションを志す人々が試作や製品化のアイデアづくりに使うことができるという。また、未来のハードウェア-ソフトウェア・インターフェースのための実験室的な機能も担う予定で、今後、デザインやファブリケーションのツール群を、一気通貫のリアルタイムシステムへと統合していくということだ。