米航空宇宙局(NASA)の探査機「オシリス・レックス」が地球の公転軌道上に新たな小惑星がないか調べる探査を20日までの予定で続けている。
オシリス・レックスは太陽の周りを回る小惑星「ベンヌ」から試料を持ち帰るために昨年9月打ち上げられた。この米探査機は、小惑星「イトカワ」の試料を世界で初めて地球に持ち帰るという偉業を成し遂げた日本の探査機「はやぶさ」の成功体験を生かした“米国版「はやぶさ」”と言われる。
NASAによると、ベンヌ到達前の今回の小惑星探査は「追加のミッション」。探査は、太陽と地球の引力が釣り合うように働く「ラグランジュ点」と呼ばれる宇宙空間で9日始まり20日まで続けられる予定。この宇宙空間は他の場所から移動してきた天体がとどまりやすいと言われているが、地上からは太陽の光が明るすぎて観測しにくいという。
ラグランジュ点は地球公転軌道上に5つあるとされ、オシリス・レックスの探査対象は第4ラグランジュ点(L4)。この付近の小惑星は「トロヤ群(小惑星)」と呼ばれる。
オシリス・レックスは、ベンヌに2018年に到着するが、着陸はせずに特殊なアームを表面に接触させて約60グラムの試料を採取する。23年秋の帰還を目指している。日本のはやぶさの後継機「はやぶさ2」も現在小惑星「りゅうぐう」を目指して飛行中で2020年に帰還、試料を持ち帰る予定。NASAと宇宙航空研究開発機構(JAXA)は互いの試料を提供し合うことにしている。
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