住友商事は13日、福島県南相馬市原町東地区において、ソーラーパワー南相馬・原町(以下、「SPC」)を通じ、太陽光発電事業を実施することを発表した。みずほ銀行をアレンジャー(幹事行)として組成した金融機関団がSPCへの融資を実行し、東芝および大成建設がEPC(Engineering Procurement and Construction:設計と調達および建設)を担当する。
このたび開始されるのは、南相馬市が所有する東日本大震災の被災地(約46ヘクタール)に、発電容量32.3メガワットのメガソーラー発電設備および関連設備を整備する、総事業費約130億円の太陽光発電事業。今般着工し、商業運転開始は2018年12月を予定している。
同事業で発電する電力は一般家庭約1万世帯の使用電力量に相当し、固定価格買取制度を活用して小売電気事業者に電力を供給する。また、同事業のほか、鹿島右田・海老地区および真野地区においても合計発電容量59.9メガワットの太陽光発電事業を推進しており、2018年3月の商業運転開始を目指している。
南相馬市では、2012年10月に「南相馬市再生可能エネルギー推進ビジョン」を策定し、2030年には市内の消費電力量に対する再生可能エネルギーの導入比率をほぼ100パーセントとすることを目標に据えている。同事業はこの目標達成に向けた重要な取り組みのひとつとなる。
住友商事は、世界各地で再生可能エネルギー発電の事業開発・運営を積極的に図っており、持分発電容量は1,000メガワットに達した。今後も、再生可能エネルギーを含む国内外における電力事業等の優良インフラ案件の事業機会発掘および開発に注力していくとのこと。
みずほ銀行は、アレンジャーとして同事業に対するプロジェクトファイナンスを組成。東芝はエネルギー事業を注力事業領域のひとつとしており、用地選定からシステム構築までワンストップで提供可能な太陽光発電システムをはじめ、再生可能エネルギー事業を国内外で展開している。
また、大成建設は、東日本大震災以降、数々の復旧・復興事業に携わってきた。同事業参画に際し、太陽光発電架台基礎として簡易斜杭基礎工法(T-Root工法)を開発し、工期の短縮、コスト縮減を図っている。