ALEは9日、人工衛星を打ち上げて人工の流れ星を作り出すプロジェクト「SHOOTING STAR challenge」プロジェクトをスタートした。人工衛星の打ち上げを2018年後半に行い、2019年内に人工流れ星試射を経た後、人工流れ星を観測するイベントを開催する予定。
このプロジェクトは、同社によれば「科学とエンターテインメントの両立」を目的とした民間宇宙事業。中継映像ではなく、人々が同時に空を見上げて人工流れ星を目撃する「体験」を創り出すチャレンジを標榜する。開催地はALE代表の出身地であり、多様な観測条件が整えられる等の理由で広島・瀬戸内に決定した。
また、人工流れ星の実現に向けて、プロジェクトに賛同した産官学等の協力を受け、実行委員会形式で推進する予定。東北大学は人工衛星バスシステム(電力供給や姿勢制御などの基本機能)をALEと共同開発、首都大学東京では流星軌道の検討、流星の発光実験、ミッション系インタフェースを担当。帝京大学は流星源の放出装置・供給装置の試験・性能測定、リエントリ検討、放出装置シミュレーション支援、スペースチャンバーを用いた熱環境試験の準備検討を行い、日本大学理工学部理工学研究所が流星の観測、流星の発光実験を行う。
技術面においては、ALEが開発を進めている「人工流星技術」を活用する。同技術では、特殊な素材の流星源を軌道上から所定の方向に精密に放出し、大気圏に再突入させることにより、特定地域の夜空に流れ星を発生させることを目指している。現在、装置(放出装置・供給装置)、および流れ星の素となる流星源の開発を行っている。