セイコーエプソンは2月2日、オフィス向けインクジェット複合機/プリンタ「WorkForce Enterprise」として、最高100枚/分の印刷を実現する「LX-10000Fシリーズ」および同75枚/分の印刷を実現する「LX-7000Fシリーズ」を発表したほか、新たなスマートチャージ対応モデルとして、A3複合機「PX-M7070FX」およびA3プリンタ「PX-S7070X」を発表した。

左がLX-10000F/7000F、右がPX-M7070FX/S7070X

LX-10000F/7000Fシリーズは、新開発の「PrecisionCoreラインヘッド」を採用することで、高画質と高速印刷の両立を実現しており、両面印刷速度もそれぞれ100枚/分、75枚/分を実現した。また、印刷の安定性などの向上を図るため、新たに速乾性の顔料インクを開発したほか、印刷時に用紙を静電気で吸着させる「静電吸着ベルト方式」を採用するなどの工夫も施されている。

さらに、静電吸着ベルトによる非接触かつインクジェットの特徴である熱が発生しない、といった面が合わさることで、エンボス用紙や和紙、金粉付き賞状用紙などのさまざまな用紙を印刷することにも対応したとする。

LX-10000F/7000Fシリーズの特徴。ラインヘッドのベースとなっているマイクロピエゾ技術をMEMSセンサとして活用することで、ノズルのつまりを感知。もし、ノズルが詰まっていることが判明した場合、周囲のノズルからの吐出量を増やすことで、塗り残し箇所を塞ぐことで、画質を維持することができる

加えて、従来の電子写真方式に比べて駆動部品を減らすことができるため、長期使用時の交換部品数を減らすことにも成功。インクもトナーに比べ、容積効率を高めており、1本当たりブラックが10万枚(5万枚×2本)、シアン/マゼンタ/イエロー各色が5万枚のカラー印刷枚数を実現したとしている。

インクカートリッジは5本(ブラック×2、イエロー、マゼンタ、シアン)で、1本あたりカラーで5万枚の印刷が可能だという

LX-10000F/7000Fシリーズに搭載されているのは9型光学式タッチパネル。ユーザーインタフェースは新たなものを採用することで、使い勝手を向上させたという

大容量給排紙オプションも用意。これにより、最大4950枚の排紙、最大6050枚の給紙、片側2箇所のステープル、通常印刷物とFAXなどを別々のトレイに排紙する、といったことが可能となる

一方のPX-M7070FX/S7070Xは、従来機種から生産性や使い勝手などを向上させたモデルで、カラー/モノクロともに24ipmのプリント、最大1985枚の給紙、約7万5000枚印刷可能なインクを搭載している。また、5型の光学式カラータッチパネルを搭載したほか、ユーザーインタフェースも使い勝手の高いものに変更するなどの工夫が施されている。

PX-M7070FX/S7070Xの概要

なお、これらの製品発表に併せて同社では「エプソンのスマートチャージ」のサービスプランラインアップの拡充も図っている。LX-10000F/7000F向けには、機器本体、インク、保守サービス費を含んだ基本利用料金を支払う(月額制。基本枚数を超えた枚数に超過料金が発生)「オール・イン・ワン プラン」、機器本体は購入/リースで、インクと保守サービス費を印刷枚数に応じて支払う「カウンター・チャージ プラン」、機器本体、インク、保守サービスを個別に購入(リース)/契約する「インク・スタンダード プラン」の3種類を用意。利用シーンに応じて使い分けることを可能とした(PX-M7070FX/S7070Xは従来同様、「オール・イン・ワン プラン」のみ提供)。

LX-10000F/7000F向けには3種類の販売プランが用意されている

PX-M7070FX/S7070Xの販売プラン

販売はLX-10000F/7000Fが2017年5月を予定しているほか、PX-M7070FX/S7070Xは2017年3月上旬を予定しているとのことで、同社ではこうした新製品を活用して、軽印刷では学校、病院、印刷業、官公庁・自治体、小売り・流通業、複合機では一般OA、官公庁・自治体、病院を中心に市場の拡大を進めていきたいとしており、3~5年程度の中期的な目標として、インクジェット軽印刷市場で40%、低速複写機/複合機市場で5%、高速複写機/複合機市場で5%の市場獲得を目指すとしている。