国際宇宙ステーション(ISS)に物資を運んだ無人補給機「こうのとり6号機」が28日未明にISSから分離された。2月6日に大気圏に突入して燃え尽きるまで宇宙ごみの除去技術の実験を続ける。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)などによると、こうのとり6号機はISSから分離された後、ISSより低い軌道に移動し、金属製ワイヤーを収納した装置を放出した。実験計画では、約700メートルの金属製ワイヤーに電流を流して地球の磁場の影響で進行方向と逆向きの力を発生させる。この力により宇宙ごみの高度を下げることが可能かどうか調べるという。宇宙ごみの高度を自在に下げることができれば大気圏に突入、燃え尽きさせることができるという。実験が成功すれば宇宙ごみにワイヤーを付ける小型実験衛星を開発して2025年ごろの実用化を目指すという。
JAXAによると、宇宙ごみの数は10センチ以上のものが約20,000個前後、10センチ未満1センチ以上のものは約50万個もあるとされる。一方現在運用中の人工衛星は約1,000個あり、運用が終了した人工衛星も約2,600個ある。宇宙ごみがISSや人工衛星に衝突して被害を及ぼす恐れがあり、宇宙ごみ対策が世界的な課題になっている。
こうのとり6号機は昨年12月9日に鹿児島県の種子島宇宙センターからH2Bロケットで打ち上げられ、ISSに滞在する宇宙飛行士の生活物資や日本製新型バッテリーや大学や企業が開発した超小型衛星7個を届けた。超小型衛星は1月16日に宇宙に無事放出された。
関連記事 |