OPSWATは1月27日、都内で記者会見を開き、レノボ・ジャパンの国内アライアンス・プログラムである「Lenovo Together」プログラムに参画、OPSWATのマルウェア対策ソリューションをレノボ・ジャパンが今春から発売すると発表した。会見では米OPSWAT CEO兼創設者のBenny Czarny氏と日本法人のマネージング・ディレクターである渡辺アラン氏が説明を行った。なお、同社は2106年12月に日本法人を設立している。
冒頭、Czarny氏は「われわれが日本市場に参入したのは5年前だが、その5年間だけでも多くのサイバーセキュリティの事案が発生し、2015年の日本年金機構の事案はEメールに添付されていたウイルスが発端となり、環境が侵害された。日本市場でのサイバーセキュリティ分野は2011~2015年の期間だけでも年間60億ドル以上が投資されているが、いまだに多くの脅威・損害が日本国内で発生している。これらの状況を見てもアンチウイルス、ファイアウォール、IPSなどの対策だけでは不十分だ。われわれのアプローチはデータの中の脅威を防御することで、組織への攻撃を防ぐというものだ。また、既知と未知のファイルを識別し、われわれのプラットフォームを使うことで組織内に入るデータと、組織から出て行くデータをトンネリングすることで防御する。今回、レノボとのパートナーシップ提携により、今後は信頼関係を強化していく。また、24時間365日のサポートで日本語にも対応する」と述べた。
主力製品であるMetadefenderについて渡辺氏は「マルチスキャン、データの無害化、脆弱性検出エンジンの3つのテクノロジーを活用している。マルチスキャンはアンチウイルスメーカー30社のソリューションをバンドルしている。データの無害化については、従来の無害化の技術はデータが使えない場合もあるが、われわれでは通常通り使える。脆弱性検出エンジンに関しては、例えばスカイプをインストールする際、ダウンロードを行う前にアラートを出すようにしている。MetadefenderはAPIやキオスク端末、ファイルストレージ、PCやタブレットといったエンドポイント、Eメール、ICAPなどに使用できる」と説明した。
同社ではMetadefenderのほか、「OESIS Framework」「Free Tools」の2つの製品群も提供しており、いずれも4月にはローカライゼーションが完了する予定だ。OESIS Frameworkは何千にも上るセキュリティ・アプリケーションやエンドポイントの脅威を検出し、評価・修正するOPSWATのSoftware Development Kitとなる。
また、Free Toolsはデバイス内にマルウェアが潜んでいないかを検出する「Metadefender Cloud Client」、アプリケーションやファイルに潜む脅威を検出する「Metadefender Core」、エンドポイントのセキュリティ脅威を検出する「Metadefender Endpoint Management」、そしてChrome経由のダウンロード・アプリケーションやファイルを監視する「Metadefender Chrome Extension」を有している。
テクニカルサポートについては24時間365日で対応し、スタンダード、ゴールド、プラチナムと3種類を用意しており、今後は製品、ホームページ、サポートを含め日本語に対応していく。
日本でのロードマップについて渡辺氏は「マーケティングでは、パートナーとのイベント、デジタルマーケティングに取り組む。ビジネス面ではチャネルパートナーの拡大、ローカルサポートを強化するほか、テクノロジー面では日本語対応、日本独自のソリューションへの対応(一太郎など)を実施していく」と意気込みを語った。
最後にレノボ・ジャパン 執行役員専務の安田稔氏は「昨今、エンタープライズの顧客のITシステムに対する投資はセキュリティなどに傾注している。ビッグデータの時代に向けてセキュリティのニーズは高まっており、その中でも標的型マルウェアの検知・削除、ファイルの無害化が重要だ。総務省でも自治体のインターネットの分離化に関して、マイナンバーの管理システムと通常業務に使用するWebアクセスなどの業務系システム間の通信は無害化のソリューションを使用するようにガイドラインが発表されている。われわれでは、今回の協業によりOPSWATのソリューションをx86サーバ『System X』に搭載し、4月から販売を予定しているほか、PCやタブレットの環境の向上にも活用していきたいと考えている」と期待を口にした。