ニュータニックス・ジャパン1月25日、新たなOSとして「Nutanix Acropolis Base Software (AOS) 5.0」を正式にリリースした。すでにダウンロード提供を開始しており、仮想化データプレーンのAcropolis、管理プレーンのPrism、組み込み型ハイパーバイザーのAHV(Acropolis Hypervisor)において、機能を追加した。

最新版は、ソフトウェアの新機能が45種類以上追加しており、機能強化が図られた。Acropolisは仮想化データプレーンを強化しており、組み込み型のファイルストレージサービスのAcropolis File Services(AFS)の提供開始、Acropolis Block Services(ABS)の強化、Metro Availability Witness、圧縮機能の強化などを行った。AFSによりユーザーは利用中のVMとファイルデータを同一クラスタ内に統合することができるという。

組み込み型のサービスで、ストレージを非仮想化ワークロードに対応させるABSの強化では、負荷分散機能とフラッシュ・ピン機能のサポートによる高性能化、CHAPを通じたセキュリティの向上によるクライアントサーバ間のコミュニケーションの安全性向上、オンライン・リサイズ機能による可用性向上などを行い、認定ワークロードにオラクルも追加した。

ディザスタリカバリ向けの同期複製ソリューションのMetro Availability Witnessは、場所を問わずに実行可能な軽量型のサービスであり、両方の拠点の状況を監視することでサービスの中断なしに、ある拠点から別の拠点までの自動フェイルオーバーを実現する。

また、AHVハイパーバイザーの強化ではアフィニティ・ルール、Acropolis Dynamic Scheduling(ADS)、CPU/メモリのホットアド機能を追加した。アフィニティ・ルールを使用することで、特定のホストや一連のホストにVMをピンで固定できるほか、AHVはVM同士の反アフィニティ・ルールにも対応し、特定のVMが同一のホスト上で一緒にならないよう設定することも可能だという。

ADSは、ハイパーバイザーがCPU、メモリ、コントローラーのホットスポットを検知し、導入されたVMを適したホストへ移動できる。従来型のハイパーバイザーの場合、同様の意思決定に際してCPUとメモリだけを考慮するが、AHVではVMの配置アルゴリズムは、ストレージリソース・コントローラーのボトルネックも考慮した上で、意思決定を行うとしている。

CPU/メモリのホットアド機については、管理者はCPU/メモリのホットアド機能により、vCPUとメモリを追加し、サービスに影響を与えることなしにVMを実行できる。アプリケーションに割り当てられるリソースを調整し、エンドユーザーへのパフォーマンスの影響を排除する。この機能は、最新版では技術プレビュー版で提供し、今後のリリースで一般提供を予定している。

さらに、Prism StarterとPrism Proで構成される製品スイートであるPrismの管理プレーンの強化では、Prismのセルフサービス機能、ネットワーク可視化機能、ESXi管理機能、ジャスト・イン・タイム容量予測機能(Prism Proで利用可能)、検索機能を強化した。ユーザーは、自社のニーズに基づいて、1クリックの包括的なシステム管理ソリューション 「Prism Starter」、もしくは1クリックのインフラ管理/オペレーション管理ソリューション「Prism Pro」を選択することができる。

Prismのセルフサービス機能は、エンドユーザー自らの管理者認証情報でPrismにログインし、管理者セットポリシーに基づき、必要に応じていつでもアプリケーションを導入・監視が可能。

ネットワーク可視化機能では、管理者はネットワーキング層までのインフラ管理に関する全体像を把握することをを可能とし、VMとそれらを含むホスト、NIC、ToRスイッチ、VLANとの接続形態と接続状況について洞察を提供し、自社インフラストラクチャーについて必要な情報のすべてを単一画面で確認できる。

ESXi管理機能に関しては、PrismによるシンプルなVM管理機能がESXiにも拡大し、ユーザーがvCenterを使用していた一般的なVMオペレーションが、Prism内で実行できるようになった。管理者は、VMの作成、更新、削除、クローン作成など、一般的なVMオペレーションをPrism内で実行できることに加え、VMオペレーションと充実の監視機能・分析機能が統合されたことで、vCenterが必要になるのは、低頻度の保守・構成業務に限られるという。

ジャスト・イン・タイム容量予測機能は、今回のPrismの機能強化の中でも最も重要な機能の1つで、ジャスト・イン・タイムの予測により、IT部門はアプリケーションの要件に基づいて、アプリケーションの導入前であってもインフラストラクチャのニーズをモデル化・理解することが可能。そのため、IT部門はアプリケーション中心の容量の使用動向や、既存の容量の最適化に必要なアクションを理解できるほか、将来的なインフラストラクチャへのニーズの計画を立てることも可能としている。