Androidを搭載したスマートフォンが発売されてから5年以上が経過していることもあり、使わなくなった端末が手元にある人もいるだろう。古くなったとはいえ、まだまだ使える端末もあるはず。
そこで本稿では、使わずに放置されているAndroidスマートフォンを有効に再利用する方法を紹介しよう。
(1)自宅監視用端末にする
最近、IoT技術を活用して、高齢者やペットを見守るサービスの提供が増えているが、古くなったスマートフォンを利用すれば、新たにネットワークカメラを購入しなくても、自宅を監視する仕組みを導入できる。
監視用のスマートフォンアプリは多数あるが、基本的に、2台の端末にアプリをインストールして、1台はカメラ用、もう1台はモニタリング用として利用する。
例えば、「ペット、赤ちゃん 見守り遠隔監視カメラアプリ無料」は、「動きを検出し、写真付きメッセージで、ビューア側のスマートフォンに通知する」「モバイル・デバイスのマイクを使用して、双方向で会話する」といったことができる。
そのほか、Androidスマートフォンで利用できる監視アプリには、「IP Webcam」や「セキュカム - 動体検知監視カメラ」がある。
(2)家電用リモコンにする
テレビにDVDレコーダー、エアコンなど、最近の家電はリモコンで操作できるものが増えており、リモコンを使い分けるのが煩雑だ。また、たくさんあるがゆえに、どこにあるのかわからなくなることもある。
そこで、スマートフォンにアプリをインストールして、家電のリモコンにしてみるのはどうだろう。大抵の人はスマートフォンを手元に置いているので、利便性が上がるのではないだろうか。
例えば、テレビの場合、シャープや東芝など、メーカーから専用アプリが提供されているが、ここではさまざまなメーカーのテレビに対応しているAndroidアプリ「ユニバーサルテレビリモコン」を紹介したい。
同アプリは、赤外線通信機能を搭載したスマートフォンを対象としているので、実のところ、赤外線通信に対応していない最近の端末では使えない。だが、本稿では「古いスマートフォン」の活用をテーマとしているので、あえて取り上げることにする。
同アプリはソニー、シャープ、パナソニックなど、主要なメーカーのテレビのリモコンとして利用できる。ただ、対応しているとはいえ、相性もあるようなので、利用の際は注意いただきたい。
また、エアコンもテレビと同様に、シャープやパナソニックなどのメーカーから専用アプリが提供されているほか、さまざまなメーカーのエアコンに対応しているアプリが提供されているので、興味があれば試していただきたい。
(3)音楽・動画再生用端末にする
3つ目の用途は音楽や動画を再生するプレーヤーだ。大抵の端末にはもともと音楽再生アプリがインストールされているが、専用端末とするなら、音楽プレーヤーをインストールするといいだろう。
例えば、Google Playで人気のAndorid用音楽プレーヤー「Rocket Player」は、曲、アルバムアーティスト、アルバム、アーティスト、プレイリスト、コンポーザー、ジャンル別で表示することができる。そのほか、アルバムアートの管理、スリープタイマー、プレイリストの管理などにも対応している。
Wi-Fiに接続している環境であれば、端末に保存している音楽ファイルに加えて、音楽ストリーミングサービスも利用できる。国内でもApple Music、LINE MUSIC、AWA、Google Play Musicなど、さまざまなサービスが利用可能だ。
(4)車載用端末にする
スマートフォンは自動車に設置すれば、車載用コンピュータとしても利用できる。スマートフォンを自動車に取り付ける場合は、専用ホルダーを使うとよい。自分の端末のサイズに合ったホルダーを選んで購入する必要がある。
具体的には、ドライブレコーダーとしての利用が考えられる。「わざわざ買いたくないけど、ちょっと使ってみたい」なんて時にも便利だろう。例えば、損保ジャパン日本興亜は、App StoreとGoogle Playの双方で「Safety Sight-接近アラート&ドライブレコーダー」を提供している。このアプリはドライブレコーダーに加えて、前方車両に接近するアラートを出す機能、安全運転診断機能、走行履歴の記録機能なども提供している。
また、ちょっとコストはかかるが、データ通信専用プランの格安SIMをさすことで、古いスマホを自動車内のWi-Fiルータにすることも可能だ。
(5)科学研究に協力する端末にする
PCの休眠しているCPU能力を研究に活用するという取り組みは古くから行われてきた。例えば、地球外知的生命体を科学的に探索するプロジェクト「SETI@home」は聞いたことがある人もいるだろう。
このSETI@homeだが、分散コンピューティング用クライアントソフト「BOINC」を利用したプロジェクト「SETI@home/BOINC」に移行した。同プロジェクトは、米国のカルフォルニア大学バークレー校に拠点を置いており、プエリトルコにあるアレシボ天文台の観測データを分析する。
同プロジェクトには、PCに加え、スマートフォンも参加することが可能だ。それには、専用のアプリをインストール必要がある。