就職・転職や本人確認の手続きなど、何かと必要となる住民票の写しや戸籍証明書。しかし、区役所や市民センター、区民事務所など手続きができる場所は限られているうえ、おおむね受付時間は平日の夕方まで。さらに施設が遠ければ有休の取得もやむを得ず、取得のたびに毎回申請書を書く手間やいつ終わるのかわからない順番待ちに苦労させられているビジネスマンも多いことだろう。
そこで今回は、手間も時間もかからないマイナンバーカードを使って、コンビニエンスストアで公的証明書を取得する方法を紹介しよう。
マイナンバーカードを活用する4つのメリット
コンビニエンスストアで証明書を交付するメリットは、大きく4つある。1つは、利用時間が毎日6時30分~23時と、窓口が閉まった後や土日祝日にも対応しているので(12月29日~1月3日を除く)、有給や半休を使って時間を作る必要がなくなることだ。
2つ目のメリットは、住んでいる地域に限らず全国どのコンビニエンスストアでも手続き可能なので、わざわざ遠方の役所に出向かなくても職場の近くや外回りのついでに利用できるという点だ。
3つ目のメリットは、申請するための書類を書く必要がない上、窓口で長々と順番待ちをすることもなく、わずか数分の操作ですぐに証明書が発行されることだ。
4つ目のメリットは、書類の発行に必要な手数料が窓口よりも安く済むことだ。例えば、住民票の写しを取得する際、窓口では300円かかるところ、コンビニエンスストアなら半額の150円になるという市区町村もある。場所や時間を選ばないだけではなく、スピーディーかつ安価に証明書を取得できるのだ。
スムーズに証明書を取得するための事前準備
このように、証明書のコンビニ取得は便利なサービスだが、利用する上でいくつか注意してほしい点がある。
まず、自分の住んでいる市区町村がコンビニエンスストアでの交付に対応しているかを確認すること。2017年1月4日時点、住所地の証明書交付に対応しているのは306市区町村、本籍地の戸籍証明書交付に対応しているのは36市区町村となる。
利用できるコンビニエンスストアとして、セブン - イレブン、ローソン、ファミリーマート、ミニストップ、セーブオンなどがあるが、市区町村によって、対応しているコンビニエンスストアが異なるので、こちらもきちんと調べておきたい。
また、取得できる証明書は「住民票の写し」「住民票記載事項証明書」「印鑑登録証明書」「各種税証明書」「戸籍証明書(全部事項証明書、個人事項証明書)」「戸籍の附票の写し」だが、市区町村により取得できる種類が異なる。
コンビニ交付を利用できる市区町村、市区町村で取得できる証明書の内訳は、コンビニエンスストア等における証明書等の自動交付(コンビニ交付)ホームページで確認できる。
マイナンバーカードの取得方法
自分が住んでいる市区町村がコンビニ交付に対応していると判明したら、マイナンバーカードの申請手続きを行おう。
マイナンバーカードはプラスチック製のICチップ付きカードで、券面に氏名、住所、生年月日、性別、マイナンバー(個人番号)と本人の顔写真などが印字されている。マイナンバー通知カードは、住民票を登録していれば誰でももらえるが、マイナンバーカードは申請しなければ入手できない。
マイナンバーの申請は、郵送、スマートフォン、パソコン、街中の証明用写真機から行える。顔写真を用意して交付申請すると、交付通知書が自宅に届く。交付通知書に記載された期限までに、マイナンバーカード受取日時を予約し、指定された場所に出向いて本人が受け取りにいく必要がある。
これら一連の手続きが完了するまで約2~3週間必要となる。就職や入学などの直前に始めていては到底間に合わないので、あらかじめ余裕をもって申請をしておくとよいだろう。
そして、マイナンバーカードの受け取り時に必須となるのが、暗証番号の設定だ。ここでコンビニエンスストアでの交付についても詳しい説明を受けられるので、気になることがあれば質問しておくとよい。ここまでの手続きが終われば、数時間ほどでサービスを利用できるようになる。
マイナンバーカード交付申請の道のりはやや遠いが、一度作ってしまえば公的証明書の発行だけでなく、行政手続きのオンライン申請や身分証明書などさまざまな用途に活用できる。今後、地方公共団体独自のサービスをはじめとした利活用の拡大も考えられているので、新生活のスタートに合わせて取得してみてはいかがだろう。