Doctor Web Pacificは1月23日、Doctor Webの2016年ウイルスレビューを公開した。2016年の主な動向として、「IoT関連のLinux搭載デバイスのトロイの木馬の増加」「Mac OS Xを標的とした初のランサムウェアの発見」「一般的でないプログラミング言語で書かれたトロイの木馬の大規模な拡散」「システムプロセスおよびライブラリを感染させる機能を備えたAndroid向けトロイの木馬の発見」を挙げている。

2016年はルータやネットワークストレージ、Webインタフェースを持ったIPカメラなど、Linuxを搭載したデバイスの普及に伴い、Linux向けトロイの木馬の拡散が大幅に増加したという。

その背景として、こうしたデバイスの多くがデフォルト設定のままでインターネットに接続されていることが指摘されている。こうしたデバイスでは、犯罪者がブルートフォース攻撃によってパスワードを取得することでデバイスをハッキングし、それらにトロイの木馬をインストールすることが可能になっている。

また2016年の春には、Doctor WebのスペシャリストがMac OS Xを標的とした初のランサムウェアを発見し、そのトロイの木馬によって暗号化されてしまったファイルを復元する方法を開発したという。

加えて、2016年はロシアで多く使用されている1C会計ソフトウェアを標的とした複数のマルウェアプログラムが発見されたほか、Rust言語およびGo言語で開発されトロイの木馬発見されている。

そのほか、Dr.Webのサーバによって収集された統計によると、2016年に最も多く検出された脅威はマルウェアプログラムをひそかにダウンロード・インストールするよう設計されたスクリプトやアプリケーションだったという。

2016年に検出されたマルウェア 資料:Doctor Web