クルマの電子化・電動化、ADAS、自動運転、軽量化など、自動車業界における最重要テーマの最新技術を一堂に集めた展示会「第9回 オートモーティブワールド(オートモーティブワールド2017)」が2017年1月18日から20日にかけて東京ビッグサイトにて開催されている。同展示会において、Qualcommブースでは、同社の非接触(ワイヤレス)給電技術「Qualcomm Halo」を採用したフォーミュラーEのセーフティカー(BMW i8ベース)が展示されている。

フォーミュラーEのセーフティカー(BMW i8ベース)を用いたワイヤレス給電のデモの様子

Qualcomm Haloは磁気共鳴誘導方式を採用したワイヤレス給電技術で、高周波に変換するためのユニット、自動車に給電するためのユニット、自動車に搭載された受電ユニット、直流に変換してバッテリーに給電するユニットの4つに大きく分けられる。受電ユニットは、同社では、サイズや重量、材料コストを低減することが可能となるため、「Double D」と呼ぶDの形が2つ並んだ形状をしたコイルを推している。同社ブースでは、i8本体のほか、こうした各種のユニットも展示されており、どういった流れで自動充電が可能になるかを見ることが可能となっている。

左が「Double D」型の受電ユニット(下が7.4kW、上が3.7kW)の実物と一般的なコイル巻きの受電ユニット(3.7kW)

なお、ワイヤレス給電というと、停車中の自動車に給電するイメージが強いが、同社では走行中の自動車への給電実験も行っており、時速数km程度の低速時での充電(タクシーの待ち時間などを想定)のほか、時速80kmで充電出力20kWのユニットを100mの距離に敷き詰めた状態での高速走行時の充電試験などを進めており、実用に向けた知見の蓄積を進めているという。