SHIFT PLUSは1月11日、人工知能テクノロジー(AI)を搭載したチャットシステムによるカスタマーサポート(CS)サービスである「AICO(アイコ)」の提供を、2017年春より開始すると発表した。

「AICO」システム構成図

ソーシャルゲームにおけるCS業界では、問い合わせの主流はメールでのやり取りであり、ユーザーからの質問を受けてから24時間以内での返答が業界標準となっている。メールでの問い合わせ対応は、一般的かつ最適化されている一方で、オペレーターの人的リソース不足や、長文による意思疎通の困難さから問題解決までの時間が長く掛かってしまう問題点があった。

また、効率化でオペレーターの処理能力に依存しない、簡潔で統一された返信文章のテンプレート化が、ユーザーによっては少し堅苦しい印象を与えてしまうなど、CS対応によりユーザー満足度を下げる要因が課題となっている。

同社では、これらの課題を解決し、ユーザーの更なる満足度の向上を実現するCSサービスの提供を目指して、AIテクノロジーを用いた対話システム開発を手掛けるNextremer、対話システム開発に必要な学習データの提供を行うdataremerの協力のもと、「AICO」の開発を進めてきた。具体的には、SHIFT PLUSがこれまでに培ってきたCSのノウハウやナレッジ、Nextremerによって開発されたAIエンジンとWebシステム、dataremerの対話シナリオやキャラクター作成のノウハウを掛け合わせたシステムとなる。

AICOでは、問い合わせから解決までの所要時間目標を平均12分とし、初期の段階においては、すべての問い合わせの約30%をAIが回答する。また、問い合わせをチャットシステムで行うことで、1回に送信する平均文字数は30~100文字以内と短く、ユーザーもオペレーターも読み取りやすくなる利点がある。

導入に先立ち、2017年1月から3月の3カ月間、ゲーム会社3社3タイトルにて「AICO」を活用したCSサービスの実証実験を行う。同実験を行う各ゲームタイトルは、SHIFT PLUSにてCS対応の協力・連携を行った実績があり、そこで得たナレッジや蓄積したデータも活用しながら、よりユーザー満足度の高いCSサービスの実現を目指していくという。