クラリベイトアナリティクス(旧トムソン・ロイター IP&Science)は1月10日(現地時間)、世界で最も革新的な企業・機関を選出する「Top 100 グローバル・イノベーター2016」を発表した。今年で6回目となる同アワードだが、トムソン・ロイターのIP & Science事業がクラリベイトアナリティクスへと名前を変えてからは初めての発表となる。
同アワードは、直近5年間で100件以上の特許を取得している企業・機関が評価対象となり、「特許数」および特許出願後に登録まで至った「成功率」、米国特許商標庁、日本国特許庁、欧州特許庁、中国専利局といった4つの主要市場の特許当局に出願された件数から算出される「グローバル性」、特許登録後の引用数をベースとした「影響力」を軸に、世界100社の企業・機関が選出される。
今回、日本からの同アワードへの選出は34社。昨年は40社で世界最多であったが、今年は39社が選出されたアメリカに首位を譲った形となる。同社によると、米国では「成功率」が高まっている企業・機関が多かったことが、その原因のひとつであるとしている。また、IoTおよびAI技術による産業構造の変化により、半導体、情報通信、クラウドコンピューティング、医療機器分野での特許数が増えてきている傾向にあるという。
「Top 100 グローバル・イノベーター2016」に選出された日本企業34社。このうち、キヤノン、富士通、本田技研工業、日本電気、日東電工、日本電信電話、オリンパス、パナソニック、セイコーエプソン、信越化学、ソニー、東芝、トヨタは6年連続でランクイン。また、ルネサスエレクトロニクスは今回初めて選出された (資料提供:クラリベイトアナリティクス) |
また、自動車関連企業について見てみると、ランクインした9社のうち7社が日本企業となる。同社によると、特にジェイテクトおよび矢崎総業の2社は、技術の権利化を海外で積極的に進めており、グローバル性が高く評価されたものとしている。
クラリベイトアナリティクス エグゼクティブバイスプレジデントのデービット・ブラウン氏よりトロフィーを受け取る ジェイテクト 研究開発本部長 執行役員 林田一徳氏(左)と、矢崎総業 常務執行役員 技術開発室長 神田政博氏(右) |
クラリベイトアナリティクス エグゼクティブバイスプレジデントのデービット・ブラウン氏は、今回の結果について「Top100においては、全体の特許の出願数は減少しているが、成功率は昨年と比べて上昇している。特許の世界では、数量から品質へという流れがあるが、今年はそれが具現化された年であるといえる」とコメントしている。