伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は1月10日、グリッドと業務提携し、グリッドの機械学習/深層学習フレームワーク「ReNom(リノーム)」を活用したAIサービスの開発・提供において協業を開始すると発表した。グリッドの機械学習/深層学習フレームワーク「ReNom」を使用した顧客データの分析サービスをはじめ、順次サービスを拡充し、製造、ライフサイエンス、情報通信、政府・公共機関、交通・物流、エネルギーなどの分野でのAI利用を共同で推進していく。
近年、多くの企業や組織でデータ解析を目的としたシステム導入が検討されるようになったが、IoTで集積されるデータ量と種類は爆発的に増加しており、従来のデータ解析手法ではビッグデータの中から有益な情報を見つけ出すことは難しい状況となっている。昨今の深層学習を中心としたAIの技術的なブレークスルーを背景に、AIによるデータ解析と予測で企業や社会にとって意義のある情報を見出すことへの期待が高まっているという。
ReNomは、深層学習や最適化アルゴリズム、生成モデルをはじめ、さまざまなアルゴリズムをライブラリーとして備えており、複雑な設定を必要とせず、各ライブラリーを組み合わせることで、専門家でなくても比較的容易にAIを作成することが可能。すでに多数のアルゴリズムを備えているため、課題ごとに個別に設計する場合と比べて、開発期間を4割以上短縮することができるという。
今回の業務提携は、ReNomの普及を目的として両社の推進体制を構築し、幅広い分野における課題解決支援とReNomを使用したサービスの共同開発を図るもの。グリッドが持つ機械学習/深層学習に関するノウハウとCTCのシステム構築・運用でのIT総合力を組み合わせ、既存システムとReNomの連携を含めて顧客のAI活用を支援するとしている。
また、AI導入・活用を検討する顧客向けのPoC支援サービスをはじめ、順次、導入後のフォローを行う定着化支援などのサービス開発やReNomを使用したアプリケーション開発を進めていく。すでに共同で複数の顧客に対してPoCプロジェクトを開始している。今後、両社は販売代理店契約の締結、共同での海外展開も視野にReNomを活用したソリューション提供を通して、顧客の新規事業開発や生産性向上の実現、社会的な課題の解決に貢献していく方針だ。