トランスコスモスは1月10日、米Replyと資本・業務提携し、同社が開発するbot構築・運用管理プラットフォーム「Reply.ai」の日本での独占販売権と、アジアにおける優先販売権を取得したと発表した。
Replyは、2016年に米国で設立されたbot構築・運用管理プラットフォームを提供する企業。同社が開発する「Reply.ai」は、顧客企業のWebサイトやメッセージングツールなどと連携し、顧客からの問い合わせに自動応対するほか、必要に応じて有人対応に切り替えてオペレーターの直接サポートが可能になる。
Reply.aiの主な特長は、コーディング不要のためエンジニアでなくてもbotの構築が可能で、1つのbotフローの開発で複数のメッセージングツールに対応できる点。現在は、FacebookメッセンジャーやLINE、Twitter、Kik、Telegram、SMSなどのメッセージングツールに対応しており、今後はWeChatやWhatsAppへの拡大を予定している。また、wit.aiやapi.aiなどのAIツールの実装で、より自然な会話に近いコミュニケーションを実現するとともに、ZendeskやBright PatternなどのCRMツールとの連携によって、顧客が行なったbotとのやり取りログをそのままオペレーターに引き継ぐなど、より効果的な顧客管理が可能となる。将来的にはIBM Watsonや、Salesforce、Oracle Service Cloudとの連携も計画しているという。
導入企業は、自動応対サービスにより顧客を待たせることなく対応できるほか、一部の業務を自動化することで人件費の削減が可能になる。また、One to Oneマーケティングや商品購入プロセスの支援など、さまざまな面での顧客サービス向上を図ることも可能だ。
botの設計や運用チューニングは、トランスコスモスが15年以上に渡って提供してきた「FAQコンサルティングサービス」のノウハウを活用して、FAQ整備からbotの設計開発までをワンストップで提供。botから有人対応に引き継いだ場合にも、各種ソーシャルメディアの運用に適したプロファイルを持つ専任のファシリテーターが、単純な問い合わせ対応にとどまらないコミュニケーションを提供するという。
トランスコスモスは、今回の資本・業務提携を通じて、同社がこれまでカスタマーサポート分野やデジタルマーケティング・EC分野で培ってきた経験およびノウハウ、Replyが有するbot開発技術を融合し、チャットbot関連サービスの拡充を進めるとしている。