米航空宇宙局(NASA)はこのほど、新たな2つの小天体を発見したと発表した。1つは太陽の周りを回る彗星(すいせい)とみられ、もう1つは小惑星か彗星のどちらかという。

想像図 木星の軌道近くを通過する小天体「2016WF9」(提供・NASA/JPL-Caltech)

NASAによると、2小天体は赤外線天文衛星「NEOWISE」が観測。1つは、彗星とみられ観測名は「C/2016 U1」。現在(今月1週)地球に近づいており、その後14日ごろに太陽に最接近する。このため今月中旬ごろまで北半球の地上から双眼鏡などで見える可能性もあるという。

もう1つは、直径0.5~1キロの大きさで観測名は「2016WF9」。2月25日ごろに地球から5,100万キロの距離まで接近するが、地球に衝突する危険性はないという。この天体についてNASAは彗星、小惑星いずれの可能性もあるとしている。

NEOWISEは2009年12月に打ち上げられ、軌道高度は525キロ。打ち上げ当時の名称は「WISE」だったが、2013年にNEOWISEと改名されて地球に近づく小惑星や彗星などを観測していた。WISE当時に34,000以上もの小惑星を観測している。

彗星も小惑星も小天体に分類される。小惑星のほとんどは火星と木星の間の「小惑星帯」に位置しているが、地球付近を通過するものもある。彗星は氷やちりなどでできており希薄なガスに包まれ輪郭がはっきりしない。太陽に近づくと長い尾を引くために「ほうき星」とも呼ばれる。

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