2017年の年頭にあたり、日本ヒューレット・パッカードの代表取締役社長執行役員を務める吉田仁志氏は、以下の年頭所感を発表した。
2017年の門出にあたり、旧年中に皆様から賜りましたご支援、ご厚情に対し深く 感謝申し上げますと共に、ご挨拶申し上げます。
昨年を振り返りますと、英国のEU離脱を巡る国民投票や、米国の次期大統領選挙、為替株価の乱高下など、政治も経済も予想のできない激動の一年でした。オックスフォード英語辞典を出版している英国オックスフォード出版社は毎年その年を代表する「今年の言葉」を発表していますが、2016年を象徴する言葉として選ばれたのは、"Post-Truth"(ポスト真実)でした。「客観的な事実や真実が重視されない時代」という意味で使われているそうです。すなわち、今こういう状態であるから、次にこうなるであろうということが通用しない予測できない時代に世界的に突入しているということでしょう。
ビジネス、そしてITの世界においても、大きな変化が激しいスピードで押し寄せてきています。ビッグデータ、ソーシャルに続いてIoTは、十数年前に起こったインターネット爆発の黎明期を思わせます。
このような時代の変化に柔軟に対応し、ITの力でスピードをもってビジネスを進める。すべての企業に求められることではないでしょうか。
ハイブリッドITをシンプルに、インテリジェントなエッジコンピューティングで市場をリードします
市場の変化は早く連続的で、これに対応し続けるシステムが必要です。ヒューレット パッカード エンタープライズ(HPE)は、柔軟性の高いハイブリッドITをよりシンプルに、IoT時代のエッジコンピューティングをよりインテリジェントにするシステムでお客様のビジネスを加速します。
クラウドは、今後ますます浸透してくると思われますが、同時にクラウドにすべてのデータを格納して運用することはデータ量、処理スピード、セキュリティにおいて早晩限界がやってきます。重要な事は、クラウド化することを目的にするのではなくお客様のビジネスを止めずに、強固なセキュリティとともに柔軟で拡張性のあるIT基盤を構築することです。HPEのハイブリッドインフラストラクチャは「HPE Synergy」をはじめとするサーバ、ストレージ、ネットワークを統合した、より付加価値の高い製品、ソリューションでお客様のビジネスを加速します。
IoTによるデータ爆発に、現在のクラウドをふくめたIT環境では対応できません。デバイスで発生する膨大な量のデータと、それをクラウド、データセンターへ送るためのスピードの遅延はビジネスにとって重要な問題です。これを解決するためには、端末に近いところでデータを分析、知見を配信することが必要になります。HPEはデバイスをインテリジェントにマネージするエッジコンピューティングで、クラウドシステムにおけるスピードのボトルネックを解消します。「HPE Edgeline」IoTシステムとArubaソリューションは、企業のモバイルファーストの展開をより一層加速していきます。そして、13兆円に達するといわれるIoT市場において、お客様の新しいビジネスチャンスを開拓します。
2020年に向けて、今までにないコンピューティングを提供します
昨年末、Discover 2016 Londonにおいて、HPEのイノベーションである新世代のコンピューティング、"The Machine"を紹介しました。爆発的なデータの増加に対して、CPU、メモリ、外部記憶装置という60年間変わっていないコンピュータのアーキテクチャはスピード、熱量、エネルギーの点で、もはや限界にきています。階層をなくした電力なしでもデータ喪失しない不揮発性メモリをコンピュータの中心におき、CPUをフォトニクス(光)技術で接続するメモリ主導型コンピューティングに置き換えます。これによりハイパフォーマンス、省スペース、省電力化を同時に実現し、データセンターをコンパクトにエッジをよりインテリジェントにして、すべてのデバイスがコンピュートを扱える世界へ導きます。
2017年、お客様のビジネスをさらに加速します
日本ヒューレット・パッカードの使命は、先の見えない時代に変化を敏感に感じ、お客様にすばやく次のステップを提案して実行のお手伝いをすることです。世界120カ国でビジネスを展開するHPEの一員としてグローバルな経験を活かしながら、製品、サービス、サポートでお客様のビジネスをさらに加速するソリューションを提案してまいります。
社員一同、お客様、パートナー様とも、より密接にスピードを持って今年もお客様のビジネスを支える所存でございます。
本年も日本ヒューレット・パッカードをよろしくお願いいたします。