2017年の年頭にあたり、カスペルスキーの代表取締役社長を務める川合林太郎氏は、以下の年頭所感を発表した。

新年あけましておめでとうございます。旧年中は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。

昨年はランサムウェアの蔓延や企業や組織を標的にした巧妙なサイバー攻撃が増加したほか、IoTボットネットを利用した大規模なDDoS攻撃など、新たな脅威も確認され、改めてサイバー犯罪の進化を認識した一年でした。日本でも引き続き大手企業や学術機関、政府機関などが標的となった高度なサイバー攻撃による情報漏えいや不正侵入などのインシデントが公になりました。こうした攻撃には特定環境下でしか動作しない特殊な技術を使ったマルウェアが使用されるなど、攻撃者側の進歩が伺え、日本においてもますます気の抜けない状況が浮き彫りになりました。

しかし、これは攻撃者にとっても日本の企業・団体を攻撃するには既存の手法では突破できない状況を示しており、これまで積み上げてきたセキュリティ技術の向上や意識の改革、産学官の連携を始めとするセキュリティに対する取り組みによって攻撃者にとってのコストや手間を確実に押し上げることに成功していると言えます。

2017年に設立20年という節目を迎えるKaspersky Labは、設立以来「インターネット上の脅威から世界を守る - Save the World from IT threats」を旗印に、これからも法執行機関との連携を通してサイバー犯罪の撲滅に尽力していく所存です。また、セキュリティ業界の技術革新を牽引することを使命と課し、インテリジェンスサービスの提供や技術者の育成と調査研究に投資し続けると共に、CSR活動を通じたインターネットリテラシーの向上とだれもが安心してインターネットを利用できる社会づくりに向けて社員一同尽力することをお約束します。

本年もどうぞカスペルスキーにご期待、ご支援いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。