デンソーは12月27日、軽自動車向け小型ステレオ画像センサーを開発したと発表した。
画像センサーは、カメラによって道路上の白線や前方の物体を識別する。今回開発したセンサーは左右2つのカメラを搭載することで、対象物までの距離測定の正確性を向上し、緊急時の対車両、対歩行者の衝突回避支援ブレーキ機能、車線逸脱警報機能、さらにロービームとハイビームを自動で切り替え夜間の視認性を向上させるオートハイビームなどの実現に貢献している。
製品の搭載スペースが限られる軽自動車においては、画像センサーにおいても車両への搭載性の向上が求められている。通常、ステレオカメラは測定可能な距離と2つのカメラ幅(基線長)が比例するため、必要な測定距離を確保するためには、その体格も比例して大きくする必要があった。新型センサーは、高精度なレンズ歪み補正とステレオマッチング技術を組み合わせることで、求められる測定距離を保ちつつカメラ幅を半減するとともに、センサーを制御するECUを一体化することで、更なる搭載性の向上を実現した。これによりルームミラーの裏側に搭載が可能となり、ドライバーの前方視認性を確保するとともに、フロントガラスに付着した異物の除去がしやすいワイパーの作動領域に搭載することで、雨天や異物付着時の性能を確保している。
同社によれば、同センサーは車両に搭載されるステレオ画像センサーでは世界最小とのことで、2016年11月に発売されたダイハツ「タント」の衝突回避支援システム「スマートアシスト3」に採用されている。