Mozilla Foundationは21日(以下すべて現地時間)、同団体のWebブラウザーである「Mozilla Firefox」に導入するマルチプロセス機能の進捗状況を公式ブログで発表した。
Mozilla Firefoxは2016年8月にリリースしたバージョン48の時点で、マルチプロセス技術「Electrolysis(e10s)」の導入を開始し、第1段階としてユーザーインターフェースプロセスとコンテンツプロセスの分離が図られた。同団体は拡張機能を使っていない利用者のWebページの応答性が400パーセント向上し、700%の読み込み速度を改善している。2016年9月リリースのバージョン49では、e10sとの互換性が確認されたごく一部の拡張機能のみ導入した環境で展開し、2016年11月リリースのバージョン50では、クロスブラウザーで拡張機能を開発する「WebExtensions」を利用した拡張機能でサポートしていた。
今後リリースされるバージョン51に関してMozilla Foundationは、すべてのテストが計画どおり進めば、e10sとの非互換性を明示していない拡張機能をインストールした環境でも、マルチプロセス機能を有効にすると説明している。同団体は2016年8月の公式ブログでマルチプロセス機能のスケジュールを発表しており、第3ステップにあたる「拡張機能のプロセス分離」が一定の成果に達したと言えるだろう。なお、セキュリティサンドボックス化もバージョン50のテストが始まっている。マルチプロセス機能は自己責任で新機能などを試せるNightlyビルドで実装しており、スケジュールどおり計画が進めば、今後のバージョンで試すことができそうだ。
阿久津良和(Cactus)