ガートナー ジャパンは12月19日、「日本におけるCRMのハイプ・サイクル:2016年」を発表した。同ハイプ・サイクルは、26の主要なCRM関連のテクノロジー/アプリケーションを示すとともに、日本国内における重要トレンドと今後の見通しを示したもの。

「日本におけるCRMのハイプ・サイクル:2016年」 資料:ガートナー ジャパン

同社は、同ハイプ・サイクルにおいて特に注目すべき点として、テクノロジー/アプリケーションである「パーソナライゼーション・エンジン」「カスタマー・ジャーニー・アナリティクス」「顧客エンゲージメント・ハブ」を挙げている。

パーソナライゼーション・エンジンとは、既知の情報に基づいて個人にとって最適なエクスペリエンスを特定するテクノロジー・ソリューションとなる。

初期段階はデジタル・コマースの用途に特化していたが、今や初歩的な顧客セグメンテーションの域を越え、個々の顧客の好みを特定して対応可能になったため、コマース外のコンテンツや機能をも対象とするようになったという。

カスタマー・ジャーニー・アナリティクスは、企業とのインタラクションにおいて見込み顧客を含む顧客が、使用可能なチャネル/デバイスをどのように利用しているか、その組み合わせを経時的に追跡し、統合し、分析するプロセスのこと。

テクノロジーは認証された顧客 (さまざまなチャネル/デバイスからログインした同一顧客) を連結・分析し、彼らに働き掛ける手段として進展している一方、未知の顧客や見込み顧客、さらには同一顧客とわかりつつも複数のデバイスを利用している顧客とのインタラクションを推測するという点では成熟していないという。

顧客エンゲージメント・ハブ (CEH)とは、複数の顧客接点におけるシステムを結び付けることで顧客エンゲージメントを最適化するテクノロジーおよびプロセスのコンセプト。

これは先取的および事後対応的なコミュニケーションを含み、すべてのコンタクト・チャネルにわたり、コンテキストに即してパーソナライズされた顧客エンゲージメントの実現を目指すものだという。

現段階のCEHは黎明期に位置付けられ、これを形成し得るコンポーネントのほとんどが現状ではスイートとしてバンドルされておらず、CEHが本格的な登場を経て主流の採用に至るには、10年以上を要すると同社では見ている。