半導体市場調査企業である米IC Insightsは12月16日(米国時間)、2016年12月時点の半導体ウェハの生産能力ランキングをウェハサイズ別で発表した。これは同社が毎年発表しているもので、毎年12月時点での月産能力を集計したものとなっている。
300mmウェハの生産能力を見ると、トップ10を占めるのは、Samsung Electronics、Micron Technology、SK Hynix、東芝/Western Digital(四日市工場)などの半導体メモリメーカーならびに、半導体最大手のIntel、世界5大専業ファウンドリであるTSMC、GLOBALFOUNDRIES(GF)、UMC、Powerchip Semiconductor(PSC。2012年にファウンドリへの転身を発表)、SMICである。これらの企業は、可能な限り大口径ウェハを使い、チップ当たりのコストを最小化しているほか、巨額な設備投資により300mmウェハの生産能力を増やそうとしている。
200mmウェハでの生産能力に関しては、専業ファウンドリとアナログ・ミクスドシグナルICおよびマイクロコントローラーメーカーがトップ10を占めており、日本勢としては7位に東芝が入っている。
150mmおよびそれ未満のウェハを使う半導体メーカーはバラエティに富んでいる。トップはSTMicroelectronicsで、シンガポール工場に大きな150mm生産能力を有しているが、現在200mmへの転換を急いでいる。同社のイタリア・カターニア工場も200mmへの転換を行っており2017年内に作業が完了する見込みである。3位にパナソニック、6位にルネサス、9位にローム/ラピスセミコンダクタ、10位に東芝と日本勢が多い現状が見て取れる。
200mmおよび300mmファブをそれぞれ所有する半導体企業数を見ると、200mmファブの所有企業数は、2007年にピークの76社に達したが、現在は58社まで減っている。一方の300mmファブも、2008年に最大となる29社となったが、現在は23社にまで減っている。
300mmファブのオーナー企業は200mmのオーナーの半分以下しかいない点が注目される。全体的に300mmの生産能力は増える一方であるにも関わらず企業数は2008年から減っており、ランキング上位の企業で集中的に生産能力が増える傾向にあるといえる。