12月14日から16日にかけて東京ビッグサイトにて開催されているエレクトロニクス製造サプライチェーン総合展示会「SEMICON Japan 2016」の特別展「WORLD OF IOT」において、Analog Devices(ADI)の日本法人であるアナログ・デバイセズのブースでは、自社の加速度センサを用いた産業向けIoTや、自社が提供するクラウドサービスのデモを行っている。

産業向けIoTのデモは、産業機器のモータの振動を監視するソリューション。振動データを加速度センサで収集し、フーリエ変換を経て、ノイズを除去し、ADIが提供するクラウド環境にデータを送信。モータが正常か、故障に近づきつつあるのかを診断できるというもので、実際に同社のアイルランドとボストンの工場で得た知見をもとに故障予測を行うことが可能なほか、M&Aしたネットワークセキュリティベンダの知見などを融合させることで、チップからネットワークまで、幅広いセキュリティを提供することを可能としたとする。

モータの振動解析ソリューション。クラウドは米国にあり、ネットワークのセキュリティを含めての提案となっている

こちらは環境モニタリングデモ。温度、湿度、光量、バッテリの4つのパラメータをモニタリングしている

また、Consumer Physicsが提供する物質センシング技術「SCiO」のデモ展示も同社ブースでは行っている。同製品は、近赤外線分光法を用いて、食品にセンサを当てることで、スマートフォン上にその食品の成分などを表示するというもの。実はADIのデバイスは製品には用いられていないのだが、クラウド環境を提供する形で協業関係にあり、ADIとして、半導体チップのみならず、クラウドもやっていく、という姿勢を示したデモとなっている。

SCiOのデモの様子。食品にセンサを当てることで、その成分分析がスマホに送られる仕組みとなっている(専用アプリを利用する必要がある)。価格は同社Webサイトでは249ドルとなっている