市場調査企業である台湾TrendForceのメモリ市場調査部門DRAMeXchangeは12月12日(台湾時間)、2016年末に向かってNAND型フラッシュメモリの需給が逼迫していることから高値が続いていることを受け、2017年第1四半期には、2016年第4四半期比で、エンタープライズおよびクライアント向けSSDやeMMCの価格が10%以上値上がりする可能性が出てきたと発表した。
同社は、NANDフラッシュメモリが不足している原因として、クリスマスシーズンを迎えてスマートフォンの出荷が増加したほか、SSD需要の増加、eMMCおよびeMCPの平均メモリ密度の増加などをあげており、eMMCやUFSのようなモバイル製品の大口契約価格については、さらに大きく値上がりする可能性が高いとしている。
DRAMeXchangeの調査ディレクターであるSean Yang氏は、「供給側の見地からは、業界を上げて2D-NANDから3D-NANDへの移行が進んでいるが、Samsungをのぞいて、期待通りには製造歩留まりを上げられていない。3D-NANDの出荷が思うように増やせない中で、2D-NANDも供給不足状態にある」と説明するほか、その背景として、「eMMC、eMCP、UFSなど製品が今のところ2D-NANDを用いているが、Huawei、OPPOやVivoなどの中国スマートフォンメーカーが大容量のeMMCやeMCPの追加注文を行っているため、2D-NANDの供給不足に拍車がかかっている」とし、2D-NAND不足の深刻さが増すことで、NAND価格の最高値を記録する可能性があると指摘。今後のスマートフォンのメモリ容量の増加と3D-NANDへの移行の進捗がNAND価格の方向を決めることになるとコメントしている。