あなたは"不幸の手紙"をご存じだろうか? 不幸の手紙とは、「この内容を○人に伝えてください。さもないと、不幸になりますよ」といった、不特定多数の人に拡散することを求める、いわゆる「チェーンメール」である。

12月9日(米国時間)、Threatpostに掲載された記事「Ransomware Gives Free Decryption Keys to Victims Who Infect Others|Threatpost|The first stop for security news」が、こうした"不幸の手紙"のような動きをする新しいタイプのランサムウェアの登場を伝えた。これまでに発見したことのない特徴を備えているとしており注意が必要。

このランサムウェアはファイルを暗号化したのち、ユーザーに対して次のようなメッセージを表示するという。

「あなたのコンピュータおよびファイルが暗号化されたことを伝えなければならないことを残念に思います。しかし、心配しないでください。ファイルとコンピュータをリストアする方法は残されています。下記のリンクをほかのユーザーへ送信してください。もし2名またはそれ以上の人がソフトウェアをインストールして支払いを実施すれば、あなたのファイルを無料で復旧します」

不幸の手紙と似たロジックでランサムウェア自身の感染を広める戦略がとられている。このランサムウェアがいつ開発され、どの程度の期間デプロイされていたのかは不明だ。ただし、このランサムウェアはまだ開発段階にあるとされており、仕込まれているC2サーバも動作していないとしている。

この戦略がどの程度効果を発揮するかは不明としながらも、一定数のユーザーはこのメッセージに従ってファイルをほかのユーザーに送信してしまう可能性があると指摘している。