ヤフーは12月8日、メディア懇親会を本社で開催し、その中で同社 代表取締役社長 CEO 宮坂学氏は「今後はデータドリブン企業と呼ばれたい」と語った。
同氏は冒頭、2016年第2四半期の数字をベースに業績について触れ、「ヤフーは20周年を迎え、これを機会に新ビジョンである『UPDATE JAPAN』(情報技術で人々の生活と社会をアップデートする)のもとに事業を行っていく。この1年間、特に伸びたのはEコマースが大きく成長したコンシューマの事業だ。今後はコンシューマとFintechの事業を伸ばし、広告とそれ以外の利益を半々にしていきたい」と語った。
同社がこの1年注力したのは、スマホアプリ利用率向上とログインユーザーの拡大だ。
同氏によれば、スマホアプリ利用は3年で2.6倍になり、順調に成長しているほか、ログインユーザーについては、今年の9月には月間のアクティブユーザー数は3614万人となり、昨年同月比で14.9%伸びているという。
同氏は「ビッグデータの面でもログインユーザーのデータは価値があるので、非常にいい変化が起こせたと思っている」と述べた。
そして今後については、「1年後にヤフーはネット企業からデータドリブン企業だといえるよう生まれ変わりたい。現在、ほとんどの事業でデータの利活用を行っているが、今後はこれをもっと押し進めたい。それは、ヤフージャパンの最大の強みはトラフィックから生まれるビッグデータだからだ。データは第4次産業革命だといわれるように、今後大きな価値をもつ」と語った。
具体的には、貯まったデータをAIで分析し、新たなサービスや機能を提供するというサイクルを永久運動のように回していくことだという。
実際、データ活用はすでに実用化されており、Yahoo!トップページのタイムラインはクリック履歴と検索クエリを分析することで作成しているほか、ヤフーショッピングでは、購入履歴などからおすすめ商品を紹介することでCVRが3-4倍に改善しているという。
そして同氏は最後に、「EC、メディア、Fintechの3つのデータを持っている会社はほかにない。これら3つのデータでユーザーにより良い提案ができる会社になりたいと思っている。ヤフーのユーザーは一人で数多くのサービスを利用しており、そのため、そのユーザーについて数多くのデータを持っている。これを使って、ヤフーにしかできないさまざまな提案を行っていきたい」と述べた