12月7日から13日までComputer Science Education Weekである。ここ数年テクノロジー産業は多様性の改善に取り組んでおり、中でもSTEM(Science、Technology、Engineering、Mathematics)分野で活躍する女性を増やすことが大きな課題になっている。そうした中、米Microsoftが公式ブログで「17 for '17: Microsoft researchers on what to expect in 2017 and 2027」を公開した。同社の女性研究者17人が、夢を語るように、それぞれの分野で2017年と、10年後(2027年)に起こることを予想している。
17人の予想のさわりを紹介すると、機械学習によって今年大きく前進した言語処理について、インドのリサーチラボのKalika Bali氏は、2017年にマルチ言語化がさらに進むと断言している。サポート言語が単純に追加されるだけではない。マルチリンガルの人が同じ会話やセンテンスで自由に複数の言語を切り替えられるように、たくさんの言語を自然に扱えるようになると見る。
レドモンド・ラボのSusan Dumais氏は、過去数年の間にスピーチ認識や自然言語処理、画像認識などの進化を加速させてきたディープラーニング・モデルが、引き続き2017年もWeb検索の質を向上させるとしている。そして、2027年には検索ボックスがなくなると予想する。コンテキストを深く理解するようになった検索は、私たちの生活に浸透してユビキタスな存在になり、検索ボックスは検索機能に取って代わられる。スマートホーム・デバイスにおける音声クエリが、その浸透の始まりになると指摘している。
MSR NExTのOriana Riva氏は、モバイルコンピューティングにおいて、アプリのインストールが減少する傾向が加速し、チャットボットやデジタルアシスタントを通じたサービス提供が増加すると予想する。そうした変化に応じて、グラフィカルユーザーインターフェイスを用いないインタラクションをサポートするようにシステムの見直しが進む。
MSR NExTのMar Gonzalez Franco氏は、2017年には身体をトラッキングする機能を備えたVR(仮想現実)デバイスが登場すると予想する。今日のVRシステムは視覚と聴覚に訴える体験だが、ハプティックデバイスによる触感など、10年後は様々な感覚に伝わるリッチなVR体験が実現する。
レドモンド・リサーチラボのKarin Strauss氏は、ムーアの法則の進行が鈍化する中、2017年にはクラウドにFPGAアクセラレータを用いたパフォーマンスの向上とコスト削減が進むと述べている。その結果、クラウドベースのよりレスポンシブかつセキュアで、人々の興味を引くサービスが登場すると期待している。