IDC Japanは12月6日、国内コンバージドシステム市場の予測を発表した。2015年の国内コンバージドシステム市場(支出額ベース)は422億3000万円となり、2016年の同市場は479億9000万円と前年比成長率は13.6%を予測している。
同社では、インテグレートッドシステムおよびハイパーコンバージドシステムを合算した市場をコンバージドシステム市場と定義。2016年の国内コンバージドシステム市場の前年比成長率は13.6%を予測し、サブマーケット別ではインテグレーテッドプラットフォームが26.8%増、インテグレーテッドインフラストラクチャが18.1%減、ハイパーコンバージドシステムが128.1%増を見込んでいる。
また、2020年の国内コンバージドシステム市場は804億6200万円を予測し、2015年~2020年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は13.8%の見通しとなっている。さらに、ハイパーコンバージドシステムが2020年の国内コンバージドシステム市場に占める割合は、2015年の9.4%から26.5ポイント上昇し、35.9%を想定している。
インテグレーテッドプラットフォームは、市場をけん引してきた製品の出荷が2015年は鈍化し、前年比29.2%減だった。しかし、2016年上半期の出荷動向を見ると同社が想定よりも改善傾向を示し、今後も2016年上半期の改善傾向が継続するとみている。
逆に、インテグレーテッドインフラストラクチャについては、採用機会が減少しているという。これは、トラディショナルIT(Non Cloud)やエンタープライズプライベートクラウドの潜在需要を、パブリッククラウドサービスが代替するといった動きが、想定していたよりも加速し、パブリッククラウドで採用されるシステムはインテグレーテッドインフラストラクチャではなく、汎用的なx86サーバをスケールアウトして構築されるケースが多い状況にあるためだと分析している。
ハイパーコンバージドシステムは、インテグレーテッドプラットフォームやインテグレーテッドインフラストラクチャの導入メリットである「導入容易性」「導入工程の短縮」「システムの安定稼働」「ワンストップサービス」に加え、「スモールスタート」「柔軟性/拡張性」といったメリットを併せ持つ。
これらの特徴により、相対的に導入規模の小さい企業や事業拠点、競争環境の変化が大きい業種/業態において採用が進むと同社は見込んでいる。
IDC Japan エンタープライズインフラストラクチャ マーケットアナリストの宝出幸久氏は「今後は、デジタルトランスフォーメーションによるアプリケーションの多様化や、ITリソースの拡張予測が立てにくくなることを背景に、ハイパーコンバージドシステムのメリットである迅速な導入、スモールスタート、拡張性といった点が評価され、国内での普及がさらに進むであろう」と述べている。