中国・華為技術(ファーウェイ)は12月1日、グラフェンを使用した耐高温・長寿命のリチウムイオン電池を開発したと発表した。

同成果は、ファーウェイ中央研究所傘下のワット研究所によるもので、11月29日～12月1日に幕張メッセで開催された「第57回電池討論会」において発表された。

同電池は、電解質内の特殊な添加剤が微量に含まれる水分を取り除いたことで、高温環境での電解質の蒸発を回避。また、改良した大型結晶NMC系を正極に使用することで、カソードパウダーの熱安定性を向上させた。さらに、グラフェンを使用することによって、より効率的な冷却が可能になった。

これにより、高温環境下での充放電試験の結果、動作パラメータが同じ場合では、通常のリチウムイオン電池に比べて温度が5℃低くなることがわかった。また60℃の環境で充電を2000回実施した後でも、70%以上の容量を保持。さらに60℃の環境で200日間保管した後の失われた電池容量は13%未満となったという。

同研究所は今回の成果について、今後、通信基地局の蓄電池システムを刷新するものであるとしているほか、高温環境にある電気自動車の一充電あたりの走行距離向上や、大量の熱を発生するドローンの安全な運行に繋がるものと説明している。