富士通ソーシアルサイエンスラボラトリと凸版印刷、和歌山大学 システム工学部の天野研究室は5日、光と音によるインスタレーションの実証実験を12月12日から開始する。従来のプロジェクションマッピング技法では難しかった、広範囲かつ複雑な形状の対象物を扱う。
実証実験の舞台となるのは、日本橋三越本店。同店本館1階中央ホールに建立されている「天女(まごころ)像」に対してプロジェクションマッピングを行う。従来のプロジェクションマッピング技法では事前に対象物を三次元のデータとしてコンピュータが扱える形にモデリングする必要があるため、彫りが細かく複雑な形状で、高さ11メートルと大きな彫刻である「天女像」に映像を投影するのは技術や費用対効果の面などで困難だった。
今回実施される実験では、和歌山大学 天野敏之准教授が開発した、対象物をリアルタイムにカメラで捉え、形状に関係なくプロジェクターから適切な色をマッピングする技術が使われる。これにより、豊かな質感表現操作が可能となり、空間全体を芸術作品へと昇華する演出を行うことが可能になる。
展示について、天野准教授監修のもと富士通SSLのイノベーション推進力と、先端デジタル表現やイベント支援のソリューションを持つ凸版印刷のノウハウを連携させることで、光と音により空間全体を一つの芸術作品とするインスタレーションを実現する。
今後、この実証実験をもとに富士通SSLと凸版印刷が各々のマーケットでインスタレーションによる演出ビジネスのシステムを実用化、2016年度内に開始する予定だ。
実施概要
実施時期
12月12日~12月29日
実施時間
16時、17時、18時の3回(各回約3分)
(初日のみ、12時の回を追加で実施)
実施場所
日本橋三越本店 本館1階 中央ホール