日本商品特化型の中国向け越境EC「豌豆(ワンドウ)プラットフォーム」を運営するInagora(インアゴーラ)は11月29日、中国ECサイトを運営する「阿里巴巴集団(アリババグループ)」のCtoCオンラインショッピングモールの『淘宝全球購(タオバオグローバル)』と業務提携し、システム連携を12月の中旬を目処に行うと発表した。

提携スキーム

タオバオグローバルでは10万の個人ショップが運営されているが、今回のワンドウのシステム連携により、これらショップオーナーは、新たに商品紹介コンテンツを作成したり、商品を仕入れることなく、ワンドウ用に作成された商品詳細情報やコンテンツを流用する形で自身のショップで日本の商品を販売開始できる。

アリババグループの構造

また、配送もワンドウのシステムを利用し、直接中国内のユーザーに商品が配送されるため、新たに在庫・物流システムの構築が必要ない。

一方、商品を販売したい日本企業においても、新たに中国でのマーケティング活動や在庫・物流システムを構築することなく、中国向けの新たな販売チャネルを獲得できる。

また今回、同社はシリーズCラウンドとして2,100万米ドル(約23億円)の資金調達を実施。これらの資金を使って、出展社数を伸ばすためのECコンサルタントの人員の増強、コンテンツ制作人員の増員、中国でのマーケティング、中国の事業開発とシステム増強を行うという。

今回のシステム連携発表において、Iinagora 代表取締役CEO 翁永飆(おうえいひょう)氏は、今後は越境EC2.0戦略を行うと表明。

Iinagora 代表取締役CEO 翁永飆(おうえいひょう)氏

具体的には、「これまでは、商品を仕入れ、企業に出展してもらい、自社のサービスを通じて中国で販売していくスタイルだったが、中国のインタネーット環境は変化している。SNSのWeChatは800万の公式アカウントがあり、公式メディアに匹敵する力をもっている。中には、KOL(Key Opinion Leader)と呼ばれる影響力の高いアカウントもあり、これらの人はEコマースに参画し、大きな影響力を持っている。今後はさまざまなネットワークの力を通じて商品情報を提供することを考え、新たな連携によって毛細血管のように商品を提供していきたい」と述べた。

新たな連携によって毛細血管のように商品を提供していくと翁氏は語った

そして同氏は目標として、2019年に5500億円の流通量を挙げた。