大日本印刷(DNP)は11月21日、「明日の京都 文化遺産プラットフォーム」の「平安京羅城門模型移設プロジェクト」との連携により、デジタルサイネージ(電子看板)をJR京都駅前に設置し、平安京や羅城門の歴史とプロジェクトの概要を多言語で解説するコンテンツを配信すると発表した。なお、このデジタルサイネージは新放送サービスi-dio(アイディオ、アナログテレビ放送で使われていたVHF帯の電波の周波数帯の一部を利用する「V-Lowマルチメディア放送」でBICが推進する新放送サービスのコミュニケーションネーム)による多言語の緊急地震速報を受信する機能を国内で初めて搭載しているという。
平安京羅城門模型移設プロジェクトは、京都の有形・無形の文化遺産を保存し、後世に継承する事業に取り組む組織として2010年10月に設立された明日の京都 文化遺産プラットフォームが推進する事業。同事業は、訪日外国人を含む観光客の増加が見込まれる京都のモニュメントとして、1994年の平安建都1200年記念事業で制作された羅城門の10分の1サイズの模型をJR京都駅前に移設するものとなる。
DNPは、明日の京都 文化遺産プラットフォームに賛同し、2014年5月から京都の世界遺産である17社寺・城の高精細映像によるアーカイブ事業を共同で進めている。
また、今回のプロジェクトでも羅城門の模型の横にタッチパネル式のデジタルサイネージを設置し、平安京と羅城門の歴史や、模型移設の意義を解説するコンテンツを配信しており、タッチ操作で日本語、英語、中国語(繁体字、簡体字)、韓国語の5言語の切り替えを可能にすることで、京都を訪れる各国の人々に日本の歴史や文化を理解する糸口を提供しているという。
新放送サービスのi-dio は、VHF帯の電波の周波数帯の一部を利用しており、多言語による防災情報の放送を可能とし、今回デジタルサイネージにi-dioの信号を受信することで、緊急地震速報を5言語で表示する機能を搭載している。
アクセス集中による回線の混雑が起こらないi-dioの特性を活かし、地震発生時などインターネットや通話の利用が集中する状況下において、公共空間での確実な防災情報の発信を実現するという。今後、DNPは本デジタルサイネージに搭載する防災情報配信機能を軸に駅や空港、学校などの公共空間に向けたサービス拡販を推進していく考えだ。