NTTドコモは11月15日、センサーを始めとする各種IoT機器から取得した情報を無線技術である「Low Power Wide Area(LPWA)」通信で集約し、低カテゴリLTE通信でクラウドへ送信可能とするLPWA対応IoTゲートウェイ機器を開発し、約1年間の予定で実証実験を開始した。2017年度中にドコモネットワークへの導入を目指す。
同実験では、LPWA対応IoTゲートウェイ機器を対象として、IoT機器からLPWA対応IoTゲートウェイ機器までの通信距離を数kmとする広域通信、さらにLPWA対応IoTゲートウェイ機器1台に対するIoT機器の接続台数を100台規模とする大量接続について検証する。
また、電池駆動で10年以上の長期稼働を実現するために、低カテゴリLTE通信のカテゴリ1や、カテゴリ1に省電力技術であるeDRX(Extended Discontinuous Reception、長周期間欠受信)を組み合わせた構成、さらにはカテゴリM1やカテゴリNB1を利用して、省電力への効果の確認も行う。
いずれも、実験場所は神奈川県の横須賀リサーチパーク(YSP)に所在するドコモR&Dセンタにおける試験環境。
現在、多様なIoT機器から情報を集約するためのLPWA通信には複数の規格があるという。
今後もさらに技術革新が見込まれる中で、ユーザーが新しいIoTサービスを柔軟により早く利用できるように、LPWA通信を含む異なる規格の複数の無線通信からの情報を自営網として構築したネットワーク内で集約し、低カテゴリLTE通信で公衆網にてクラウドへ情報を送信することが可能なIoTゲートウェイ機器の有用性・実現性を検証する。
また今後、異なる複数のLPWA通信に対応するIoTゲートウェイ機器の提供を視野に入れた開発を実施していくとしている。
同実験を通じてLPWA対応IoTゲートウェイ機器に関する技術を確立することで、水田センサーや畜産センサーを用いたスマート農業、マンホール・センサーを用いたスマート・シティ、駐車場センサーを用いたスマート・パーキング、自動販売機センサーを用いたスマート・マーケティングの他、道路・橋梁・鉄道のインフラ監視や河川の防災監視など、屋外や広範囲にIoTを利用するサービスを必要とする法人ユーザーは、迅速にIoTネットワークを構築可能になるという。