富士通は11月15日、神奈川県横須賀市にて実施した電測車による屋外実験で、道路に沿って超高密度に分散配置した基地局アンテナを協調伝送することによって、アンテナを1カ所に集中配置する構成と比較して、高いシステム容量が実現可能であることを明らかにした。
同実験は、富士通とNTTドコモが共同で実施している第5世代移動通信方式(5G)向けの大容量化技術である超高密度分散アンテナの実験の1つ。
具体的には、4.5GHz帯の周波数(帯域幅200MHz)を利用し、約40m間隔で4カ所に分散配置された基地局アンテナを用いて、8人のユーザーが同時に歩行している環境を模した電測車(8素子のアンテナを搭載し、時速5kmで移動)を使い、実験を行った。
その結果、実験区間内において全ユーザー合計で最大で5Gbps、平均で3.8Gbpsのシステム容量が得られることを確認したという。
今回の実験により、基地局には4素子のアンテナを配した計16素子のアンテナを超高密度に分散配置し、協調伝送することで樹木などの電波遮へい物に対する通信耐性を高め、安定的に高いシステム容量が得られることが分かったとしている。