ロームは11月8日、ウェアラブル機器やアミューズメント製品のドットマトリクス光源などの民生機器向けに、リフレクタ付き高輝度3色(赤、緑、青)LED「MSL0402RGBU」を開発したと発表した。
これまで、平面にLED(光源)が格子状に並んでいるドットマトリクス光源に使用されるLEDで主流の3.5 × 2.8mmサイズは、表示が粗くなり、多彩な表示ができないという課題があった。これに対し、「MSL0402RGBU」は同社従来製品比で面積を約70%減らし、大幅な小型化を実現。これにより、高精細かつ高輝度のドットマトリクス光源の形成が可能となる。
また、一般的にLED使用される銀メッキフレームとシリコン樹脂の組み合わせでは、タバコや排気ガスなどの硫黄成分により、銀が硫化し1年で約30%輝度が低下することが知られている。新製品では、基板部分に金メッキを使用することでシリコン樹脂においても硫化しないパッケージを開発。これにより、アプリケーションの長期信頼性を確保するとしている。
さらに、従来のLEDでは静電気対策のためにツェナーダイオードが使用されていたが、ドットマトリクス回路では他のLEDへの電流回り込みが生じ、不要な部分が発光してしまう場合がある。「MSL0402RGBU」では、静電気耐圧の高い素子を利用することで、ツェナーダイオードを不要とし、ドットマトリクス回路での鮮明な表現を可能とした。
同製品はすでにサンプル出荷を開始しており、サンプル価格(税別)は100円/個。ロームは、11月より100万個体制で量産を順次開始していくとしている。