東芝は11月1日、米国テキサス州で建設中の直接燃焼方式による超臨界注CO2サイクル火力発電システムのパイロットプラント向けに、出力25MWのタービンを出荷したと発表した。
超臨界CO2サイクル火力発電システムとは、既存のガスコンバインドサイクル発電システムと同等の発電効率を有しながら、CO2を分離・回収する設備を別に設置することなく、燃焼により発生するCO2を高純度・高圧ですべて回収することができるというもの。同プラントは2012年度から、東芝と米国のネットパワー、シカゴブリッジアンドアイアン、エクセロンとの4社で共同開発が進められてきた。今後、タービン、燃焼器等の据付工事を経て、2017年から検証運転が開始される予定。
超臨界CO2サイクル火力発電システムの構成図。CO2、天然ガスおよび酸素を注入して燃焼させて発生した高温ガスでタービンを回転させて発電。その後、タービンから排出された燃焼ガスは、熱交換器を経て冷却され、水分を分離した後、高圧ポンプで圧縮される。大部分のCO2は燃焼器へ循環されるが、燃焼により発生したCO2分はそのまま回収することができる |
今回、東芝が出荷したタービンは、高圧に耐える超々臨界蒸気タービンのケーシング技術および同社の高温ガスタービンの材料技術と冷却技術を融合することで、信頼性を確保している。
東芝は今後、検証運転で得られたデータをもとに技術を確立し、250MW級プラントの商用化を目指していくとしている。