NECは10月31日、IoT基盤「NEC the WISE IoT Platform」のエッジコンピューティングを実現するIoTデータ収集基盤「エッジゲートウェイ」を開発したと発表した。

「エッジゲートウェイ」

エッジゲートウェイは、通信ネットワークに接続できない機器や、各種センサーなどと接続できる多種多様なインタフェースを装備しているため、デバイスのデータ収集を可能とし、クラウドと連携で新たなIoTサービスの創出が期待できるという。

仕様の異なる多くのデバイスデータを分散処理することにより、機器のリアルタイムな制御やクラウド連携時におけるネットワーク負荷低減が可能なほか、不正なデバイス接続やウィルスなどによる不正な通信を防止する機能を搭載し、現場機器の安全なクラウド連携を実現。また、取得したデータを活用し、顧客とともに課題の発見や仮説検証を行いつつ、課題解決のスピードや改善プロセスを短縮できるサービスの創出が可能だという。

エッジゲートウェイは「ネットワーク非対応機器の見える化と共創によるIoTサービスの創出」「分散処理によるリアルタイムな制御や運用管理の効率化を実現」「現場機器データの情報漏えいを防ぐセキュリティ対策」「堅牢性や耐環境性を確保」といった特徴を有する。

装置構成イメージ

ネットワーク非対応機器の見える化と共創によるIoTサービスの創出に関しては、工場や店舗などに多数設置されている通信ネットワークに接続できないさまざまな機器や、カメラ、温湿度センサーなどを有線インタフェース(RS-232C、RS-485、USBなど)や無線インタフェース(920MHz無線、Wi-Fi、Bluetooth、LTEなど)に接続することで、データを取得し、クラウド連携により可視化することができる。

分散処理によるリアルタイム制御や運用管理の効率化の実現については、機器やセンサーから収集したデータをクラウド上で処理すると、ネットワークやクラウドの負荷が高まり、データの処理時間などが悪化する可能性があるが、同基盤が機器、センサーから取得したデータの処理の一部を担うことで、通信負荷を分散させ、データ処理の高速化やデバイスのリアルタイムな制御ができる。加えて、クラウド側から遠隔でファームウェアやアプリケーションのアップデートや、仕様の異なる機器のタの整理・吸収が可能なため、機器情報の一元管理を可能としている。

現場機器データの情報漏えいを防ぐセキュリティ対策は、不正なUSB機器接続やマルウェアによる意図しないネットワークアクセスを防止するホワイトリスト型のセキュリティ機能により、データの情報漏えいを防止し、現場機器の安全なネットワーク接続を実現するという。堅牢性や耐環境性の確保に関しては、ファクトリコンピュータや製品組込み事業で培った堅牢なハードウエア構造(ファンレスなど)を採用し、接続機器からのノイズ対策を施したインタフェースや広い動作温度を確保しており、さまざまな組み込み環境にも対応できる。