NECは10月27日、中堅企業向けにIoTを活用して収集した情報を企業間でリアルタイムに共有することで、生産・物流・販売をつなぐサプライチェーン全体の見える化や最適化を実現する「サプライチェーンマネジメントIoTソリューション」を製品化し、販売を開始した。2017年1月から提供を開始し、価格は月額1万2000円(税別)~、今後2年間で100システムの販売を計画している。
新ソリューションの特徴として、個々の企業がIoTを活用して収集した生産進捗や配送進捗、店頭在庫などの情報をサプライチェーンを構成する企業がクラウド上の共有データベースに蓄積することで、取引先の状況を正確に把握した上で自社の業務計画を柔軟に変更することを可能とする。これにより、サプライチェーンにおける無駄を排除し、コスト競争力・スピード感のある企業間連携を実現するという。
今回、第1弾として製造業と物流業で完成品在庫情報を共有し集荷時期を最適化できるソリューションと、物流業と小売業で配送進捗を共有し店舗での待機工数の削減が可能なソリューションを提供する。
製造業と物流業で完成品在庫情報を共有し集荷時期を最適化できるソリューションは、段ボールやパレットなどに取り付けたRFIDタグ、センサを活用し、工場の出荷倉庫に保管された完成品在庫の品番・数量・位置を製造業と物流業がリアルタイムに共有可能とするソリューションとなる。これにより、集荷時期や車両配置の最適化、出荷倉庫のスペース削減などを実現するとしている。
物流業と小売業で配送進捗を共有し店舗での待機工数の削減が可能なソリューションは、デジタルタコグラフやスマートフォンなどのGPS対応機器から収集した配送車両の位置情報を基に、出荷から配送完了までの配送進捗や店舗への到着予測時刻などを物流業と小売業がリアルタイムに共有可能とするソリューションを提供。これにより、配送先の店舗における荷受け要員の待機工数の削減などを実現するという。
今後、小売業の店頭在庫や販売状況、顧客動向などの情報を製造業や物流業と共有可能とすることで、生産量や店頭への配送時期の最適化などを実現するソリューションの提供も予定している。