東芝は10月26日、画像、音声認識の技術とディープラーニングの技術を組み合わせ、ラグビーの試合映像を自動で解析し、プレー分析に活用する実証実験を開始したと発表した。
実証実験では、同社ラグビー部を対象に、選手とボールの追跡と位置推定を行ってプレーを分析する。そして、画像認識技術で試合映像から選手やボールの移動軌跡を仮想2次元フィールドにマッピングするとともに、音声認識技術でレフェリーのホイッスル音を自動検出し、自動で画像にタグを付けることが可能になるとしている。
また、ディープラーニングを用いて選手のユニフォームや選手の動きを学習し、人物認識の精度を通常の画像認識よりも向上させている。
同社によると、ラグビーはプレーヤーの数が多く、速い動きでさまざまな態勢を取り、人が密集して重なったり、ボールが人に隠れて見えなくなったりするシーンがあるなど、他のスポーツにはない競技特性があるため、こうした特性を持つ対象の映像分析を通じて、画像認識技術や音声認識技術など、クラウドAIサービス「RECAIUS」の要素技術の精度向上を図り、他産業へ展開していくという。
さらに、ラグビーのような多人数の動きを同時に認識する技術を工場の導線管理に、スクラムやモールなど特定プレーを検出する技術を作業内容の検証や作業時間の測定に応用し、製造業の生産性向上に寄与していくとしている。