NECは10月26日、GEデジタルとIoT分野において包括的な提携を締結したと発表した。両社は、GEが開発した産業向けクラウド・プラットフォームである「PREDIX」にNECのIT技術を組み合わせ、日本企業向けにIoTソリューションの提供を行うことを共同で行っていく。

提携を発表したGEデジタル チャネル・アライアンス・ビジネス開発 ベンチャー担当 グローバル責任者 デンジル・サミュエルズ（Denzil Samuels）氏（左）と、NEC 執行役員 榎本亮氏（右）

今後NECでは、「PREDIX」に関する知見やノウハウを蓄積するため、自社のグローバルサプライチェーンシステムや海外における大規模プロジェクト管理にPREDIXを導入し、オペーレーションコストの削減や基幹システム連携の確立を行う。そして、ここで蓄積したノウハウを活かし、共同マーケティングを実施するとともに、PREDIXを活用したソリューションを提供する。

また、NECのAI技術群「NEC the WISE」や映像解析技術などの要素技術の一部をサービス化し、PREDIX上で提供。さらに、GEデジタル傘下のWurldtech（ワールドテック）が有するIoTに特化したオペレーション・テクノロジー（OT）領域のサイバーセキュリティ技術と、NECのIT領域のセキュリティソリューションを組み合わせ、ITとOTの両面にわたるサイバーセキュリティソリューションの提供を検討する。

提携における両社のバリュー

NECでは今回に提携を受け、社内に社長直下のGE部隊を編成（人数未定）。両社での取り組みを推進する。また、NECグループが提供するIT研修サービスにPREDIX専用プログラムを追加し、日本国内におけるPREDIX認定技術者を2017年度中に100名育成・拡充する予定。そのほか、NECが持つICTシステムの保守技術を、PREDIXおよびPREDIX上で稼動するアプリケーションの顧客サポートで活用する。

提携の内容

NEC 執行役員 榎本亮氏によれば、今回に提携に向け、両社で今年の春から数多くミーティングを重ねたという。同氏は会見で、「GEが100カ国以上でサプライアンチェーンをまわしているノウハウを学びたい」語った。

一方、GEデジタル チャネル・アライアンス・ビジネス開発 ベンチャー担当 グローバル責任者 デンジル・サミュエルズ（Denzil Samuels）氏は、「インダストリアル事業は1991-2010には、毎年4%ずつ成長してきたが、ここ5年は1%と伸びが鈍化している。成長を1%伸ばせば、それは1兆ドルの価値がある。GEのOTとNECのITを組み合わせ、第4次の産業革命を起こしたい」と述べた。