島津製作所は10月26日、臓器移植や造血幹細胞移植時に問題となる日和見感染症の原因ウイルスを検出する研究用試薬「日和見感染症ウイルス検出キット」を発売した。
日和見感染症は、健常時には症状が出ない病原体が免疫力の低下によって増殖することで起きる。臓器移植や造血幹細胞移植の治療では拒絶反応を抑えるために免疫抑制剤を使用するが、免疫機能の低下により、ヘルペスウイルスや肝炎ウイルスなどが増殖し、重篤な症状を引き起こすことがある。
同製品は、PCR法による遺伝子検出により、1回の測定で下記13種のウイルスをサンプルの入手から2時間程度で検出するというもの。
- 単純ヘルペスウイルス1型
- 単純ヘルペスウイルス2型
- ヒトヘルペスウイルス6型
- ヒトヘルペスウイルス7型
- ヒトヘルペスウイルス8型
- 水痘・帯状疱疹ウイルス
- エプスタイン-バール(EB)ウイルス
- BKウイルス
- JCウイルス
- サイトメガロウイルス
- B型肝炎ウイルス
- アデノウイルス
- ヒトパルボウイルスB19
これらの原因ウイルスを遺伝子増幅法により同時に検出するための試薬は、8連チューブストリップ内に固定化されており、精製DNAを分注するだけの操作でウイルスを検出することが可能。ウイルスを個別に検出したり、遺伝子増幅反応に必要な試薬調製を伴う従来技術と比較して、作業性が大幅に向上したといえる。
価格は、測定12回分で24万円(税別)。