さくらインターネットと、アパマンショップホールディングスのグループ会社であるシステムソフトの合弁会社のS2iは10月26日、シェアリングエコノミーを志向する新しいスマートロックを提案するtsumugと業務提携し、賃貸物件向けスマートロックのサービス/プロダクトを共同開発すると発表した。
S2iは、ホーム IoT(住居を中心とした安全と安心・利便性・健康管理・エネルギー効率・エンターテイメント性の向上による新たな生活価値の提供を担う技術やサービス、プロダクトと定義)に特化したサービス/プロダクトをオープンイノベーションにより企画・開発に取り組む合弁会社として、2016年5月に設立。
同社の主力サービス/プロダクトとして、ホームセキュリティのキーデバイスとなる「さくらのIoT Platform」対応のスマートロックの取り扱いについて検討してきた。今回、不動業界に特化したスマートロック開発を行うtsumugの賃貸物件向けスマートロック「SharingKey ForRent」を採用する。
SharingKey ForRentは「さくらの通信モジュール」が実装され、自宅のWi-Fiやスマートフォンを経由することなく、スマートロック自体が3G/LTE回線を通じて、さくらのIoT Platformに接続できる。そのため、例えば賃貸物件の未入居時にも通信を行うことができ、空室時の防犯対策や仲介業務における貸鍵業務の軽減、民泊など短期賃貸への利用が想定されている。
また、入居者には鍵の開閉管理・防犯通知・貸鍵機能の提供なども予定しているほか、住居内でサービス展開されるさまざまなIoT機器の通信Gatewayとしても利用され、IoT機器から生じるセンシティブなデータを、さくらのIoT Platformの閉域網にて保存・活用できるため、新たな住居内での通信機器の設置などを要せずにセキュリティの高いネットワークを介したサービスの提供を可能としている。
tsumugは、シャープ主催のIoTスタートアップ企業を対象とするモノづくり研修「SHARP IoT.make BootCamp Supported by さくらインターネット」のプレ開催(2016年7月に実施)に参加し、現在シャープと量産に向けた支援について協議しているハードウェアスタートアップ。S2iはSharingKey ForRentの提供に向けてtsumugと業務提携することで、プロダクトクオリティやサービスセキュリティの水準を維持しつつ、賃貸物件の居住価値や不動産価値の向上を実現していく考えだ。