日立製作所は10月26日、Hitachi Virtual Storage Platform(VSP) ファミリーのラインアップにミッションクリティカルなシステム環境用にハイエンド向けオールフラッシュアレイ「VSP F1500」を追加し、同日から全世界で順次販売を開始すると発表した。

「VSP F1500」

VSP F1500は、昨年11月に販売開始したオールフラッシュアレイ「VSP Fシリーズ」(「VSP F400」「VSP F600」「VSP F800」)の最上位モデルの位置づけとなるストレージシステム。今回、同社のストレージ仮想化技術やデータ保護機能に加え、新たにデータの重複排除・圧縮機能を搭載し、容量効率を向上させた。

VSP F1500の販売開始と同時に、HDDとフラッシュ媒体との混在構成が可能な「VSP G1500」も製品化し、販売を開始。VSP G1500により、既存のストレージ環境がHDDを中心とした構成の場合にも、段階的なフラッシュ環境への移行が可能だという。

今回、VSP F1500の製品化にあわせて、VSPファミリーの全製品で採用するストレージ基本ソフトウェア「Hitachi Storage Virtualization Operating System(SVOS)」を機能強化した。従来、提供してきた各種ストレージ仮想化機能に加えて、ニーズの高まる重複排除やデータ圧縮などの容量削減機能を新たに搭載し、データアクセス性能を維持したまま、効率的なデータ保管を実現するとしている。

VSP F1500の特徴として、業務システムを構成するサーバやアプリケーションに対し、複数のストレージ装置を仮想的に1台のストレージ装置として見せることが可能。これにより、拠点をまたがるシステムの二重化環境などにおいて、正副両方のストレージ装置でデータへのアクセスが可能となるため、業務の生産性を向上することを可能としている。

また、機種の異なる複数のストレージ装置を仮想的にVSP F1500のリソースとして使用することができるため、業務単位で導入した複数のフラッシュストレージを仮想的に同製品のリソースとして有効活用でき、投資効率の向上が可能。さらに、フラッシュモジュールのラインアップに、独自開発のフラッシュモジュール「Hitachi Accelerated Flash DC2(HAF DC2)」を加え、フットプリントや消費電力を抑えるなど、ランニングコストの低減できるという。

加えて、ストレージシステムの導入前アセスメントサービス「Hitachi Virtualized Storage Assessment service」の強化により、既存ストレージからフラッシュストレージへの迅速な移行と投資コストの最適化を支援。また、システム導入後の稼働状況を監視し、問題発生を未然に防ぐ「プロアクティブ稼働診断サービス」の提供を開始し、運用効率の向上を図っている。

そのほか、2016年8月に販売を開始し、今回、REST APIによるストレージ運用の自動化を強化したITインフラ運用自動化ソフトウェア「Hitachi Automation Director (HAD)」や、年単位での詳細な稼働情報を用いた性能分析を行う「Hitachi Data Center Analytics」の機能を取り込んだITインフラ性能監視・分析ソフトウェア「Hitachi Infrastructure Analytics Advisor (HIAA)」をあわせて利用することで、システム運用における構築、運用・監視の各フェーズでの運用コストを低減するという。

VSP F1500のキャッシュは256GiB、物理容量は28TB(7TB HAF DC2使用時)~、価格は税別で2億2223万4000円~、VSP G1500はキャッシュは32GiB、物理容量は28TB、価格は同3億4803万6000円、Hitachi Virtualized Storage Assessment serviceは個別見積もりで、それぞれ10月26日に出荷開始。

また、HADは月額45万6000円(税別)~、HIAAは同108万5000円(税別)~で出荷開始は12月22日、プロアクティブ稼働診断サービスは個別見積もりで2017年1月31日の出荷開始を予定している。