メンター・グラフィックス(メンター)は10月25日、新製品となるXpeditionマルチボードシステム設計ソリューションを発表した。
システム・オブ・システムズ(System of Systems)と呼ばれるような複雑な製品を効率的に開発するには、メカ、エレキ、ネットワークなど各設計チーム間の連携が重要なポイントとなる。これまで、複数の基板から構成されるシステムを設計するには、各基板やケーブルごとにプロジェクトを進め、接続はExcel、システム要素のパラメータはテキストファイル、ブロックレベルのシステム構造と階層の表現は描画アプリケーションといったように、既存のオフィスツールを使用していた。しかし、この開発プロセスでは基板を何千枚も使用するような大規模システムには対応することは難しかった。
今回メンターが発表したXpeditionマルチボードシステム設計ソリューションは、複数の技術領域にまたがる設計チーム間でのシームレスかつコンカレントなコラボレーションを実現するもの。従来の手法において効率が悪かった紙と手作業によるプロセスを自動し、統合された協調ワークフローに置き換えることによって、設計チームの生産性を向上し、開発コストを削減するとしている。また、自動同期と自動コネクタ管理の機能を提供するほか、接続性を維持しながら、信号トレーシング、機能の一貫性やシグナルインテグリティのシミュレーションなどを実現する。さらに、世界各地に分散したチームが「リアルタイム」で同時作業できる完全に並列な協調設計環境を提供する。
半導体製造装置メーカー大手のASMLはメンターの新ソリューションについて「多数のマルチドメインチームで並行して作業しながら最新の高性能リソグラフィ装置を設計する場合、厳しいTime-to-Marketの目標を果たすためには、設計全体の一貫性と正しさを確実に守らなければならないという課題に直面します。メンター・グラフィックスのXpeditionマルチボードシステム設計ソリューションを用いると、製品設計のコンセプト段階からPCBレイアウトに至るまで単一のフローで、短時間に接続を設計することができ、リスピンも削減し、図面の一貫性も向上します」とコメントしている。