欧州宇宙機関(ESA)とロシアによる火星探査計画の着陸機「スキャパレリ」が火星表面に激突してできたとみられる跡の画像を、米航空宇宙局(NASA)が日本時間22日、公開した。母船の「TGO」は火星周回軌道を回っているが、スキャパレリの着陸失敗は確実になった。

写真 NASAが公開したスキャパレリの激突跡とみられる火星表面の痕跡。右側拡大写真の左上方の黒い染みが痕跡 (NASA提供)

NASAが公開したのはNASAの火星周回探査機「マーズ・リコネサンス・オービター」(MRO)が火星上空から撮影した画像。スキャパレリの着陸予定地点の西方約5.4キロで着陸に失敗して激突してできたとみられる痕跡が写っていた。痕跡は縦約15メートル、横約40メートの楕円(だえん)形をしていた。

スキャパレリは、ESAとロシア宇宙庁などの火星探査計画「エクソマーズ」として母船のTGOとともに16日(GMT)に火星上空に到達、19日にTGOから分離されて火星表面への着陸を試みたが、着陸直前に地上との交信が途絶えていた。

ESAはこれまでの記者会見などで、スキャパレリは着陸時に減速するために使ったパラシュートの不具合などにより火星表面に激突、爆発したとの見方を示していた。TGOは高度400キロを周回し、生命活動と関わりが深いメタンの分布などを調べる予定だ。

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