日立製作所(日立)は、グローバルに事業展開する製造業向けに、「クラウド型設計業務支援サービス」を10月19日から販売開始すると発表した。提供価格は、個別見積もりとなる。
同サービスは、工業製品の設計業務に関連するさまざまなデータをクラウド上に集約し一元管理できる「設計業務ナビゲーター」と、設計データの処理に求められる高性能なクライアント環境を仮想デスクトップ上で利用できる「3D-VDIサービス」を、クラウドサービスとして提供するもの。
「設計業務ナビゲーター」は、製品仕様書や図面、プロジェクト進捗といった設計業務に関連するデータをクラウド上に集約・一元管理し、画面上で表示できる。また、「3D-VDIサービス」では、3次元CADやCAEなど、高い性能が求められるツールを快適に利用できる仮想デスクトップ環境を提供する。
同サービスを導入することで、拠点が地理的に分散していても、国内外の複数の拠点や社外サプライヤーとデータを共有し、設計プロセスを共通化できるため、設計プロセス・品質の統一・向上やシステム構築・運用・保守コストの削減など、設計業務の効率向上を実現するという。
なお、日立グループの複数の部門で、同サービスの利用を先行的に進めており、昇降機事業を手掛ける日立ビルシステムでは、エレベーターのリニューアル工事に伴う、壁面などの構造物に関する3次元データの共有にかかる時間を、約50%短縮したという。
日立は、製造業のバリューチェーンの全体最適化を支援するサービス群を「Hitachi Total Supply Chain Management Solution」(TSCMソリューション)として体系化している。同サービスをTSCMソリューションのひとつとして、自動車や電気機械などグローバルに事業展開する製造業向けに販売するとともに、今後、IoTプラットフォーム「Lumada(ルマーダ)」も活用してサービス強化を継続的に推進していくという。