ニフティは10月17日、製造業およびサービス業の従事者に対して実施したIoTに関する実態調査の結果を発表した。これによると、両業種とも顧客接点の強化に対して高い期待がある半面、ビジネス設計や人材に課題があるという。
同調査は9月6日から8日にかけて、製造業またはサービス業に従事する全国の20歳以上の男女を対象としてインターネットを通じて実施したもの。有効回答者数は548人で、内訳は製造業が248人、サービス業が300人。
IoTで自業種のサービス化が進展すると思うかどうかを単一回答で尋ねたところ、製造業では78.7%、サービス業では65.0%が「進展すると思う」と答えている。世の中におけるIoTの普及については、いずれの業種でも約4割が「実感している」と回答している。
IoT活用に求める価値を複数回答で尋ねた結果、両業種で共通して最も回答が多かったのは「顧客接点の強化」(製造業:25.8%、サービス業:24.7%)となった。製造業に限ると「製品・サービスの付加価値向上」(33.5%)、「製品・サービスの新開発」(27.4%)の順に回答が多く、これらが「システム・インフラの効率化」(21.4%)や「業務の最適化」(12.5%)を上回った。
自社でのIoT活用状況を単一回答で聞いたところ、製造業では24.6%、サービス業では9.4%がすでにIoTに関して具体的な取り組みを行っているという結果となった(「IoTを活用している」「活用に向けた準備をしている」の合計)。さらに「IoTの活用を検討している」までを含めると、製造業では48.4%、サービス業では22.1%が検討以上の段階に進んでいるという。
IoT利用を「検討中」または「予定はない・わからない」とした回答者にその理由を複数回答で尋ねると、回答が多い順にIoTと自社製品・サービスを関連づけることの難しさ(製造業:17.6%、サービス業:27.2%)、効果についての疑問(製造業:18.7%、サービス業:20.2%)、人材やスキル不足(製造業:21.4%、サービス業:16.9%)となった。また、すべての回答者に対し「データ活用」の課題について単一回答で尋ねたところ、全体の約半数が何らかの課題があると回答した。
同社は2015年7月の「ニフティIoTデザインセンター」の提供開始以降、多くの相談を受ける中で、IoT利用の目的が「コスト削減」や「業務効率化」に加えて「付加価値創造」へと広がってきていることを実感しているといい、そのことが今回の調査からも読み取れたとしている。